産学共同でのゼオライト最先端研究―東京大学社会連携講座

産学共同でのゼオライト最先端研究―東京大学社会連携講座

『ゼオライト』とは?

ゼオライトは、分子レベルの大きさの穴(細孔)が無数に空いた、スポンジのような構造を持つ結晶物質であり、天然でも得られる鉱物の仲間です。ゼオライトには、まるでジャングルジムのように多彩な結合パターンを持つ、多くの結晶構造が知られています。東ソーでは、こうした結晶構造や物性を用途に合わせて細かく制御した「合成ゼオライト」を製造販売しています。

『ゼオライト』とは?

ゼオライトの機能

細孔の働きにより、ゼオライトは水やガス、有機物など様々な物質を吸着することができます。更に、反応を効率化する触媒や、イオン交換もゼオライトの代表的な機能です。これらの機能を活かし、ゼオライトは多種多様な用途で社会に貢献しています。

ゼオライトの機能
ゼオライトの機能

ゼオライトの研究開発と社会連携講座

無機材料研究所ゼオライトグループでは、社会に新たな価値を提供するゼオライトの開発に日々取り組んでいます。ゼオライトの製造技術は多数の工程から成ります。なかでも合成工程は、最終製品の物性や品質、そして性能を左右する最重要の工程と言えます。

ゼオライトの研究開発と社会連携講座

物性の精密制御や品質安定性には定評のある東ソーゼオライトですが、カーボンニュートラルへの挑戦に代表される、高度な社会課題にタイムリーに応えていくためには、より飛躍的な合成技術の進歩が必要です。ここに産学の持てる知恵を結集すべく、東ソーでは、東京大学大学院工学系研究科の大久保・脇原・伊與木研究室(化学システム工学専攻)との社会連携講座(「規則性多孔体の革新的合成プロセスの構築」)を設置し、共同研究を進めています。

2019年開始の第一期講座では、ゼオライトを原料として異なるゼオライトを合成する「ゼオライト転換法」のメカニズムを解析し、汎用的な原料からの目標ゼオライト合成に成功するなど、大きな成果を収めました。さらなるステップアップとして、ゼオライト原料の巧妙な構造制御や最先端の解析技術を通して、新たな社会課題解決に貢献する次世代ゼオライトの合成を目指します。そして東ソー研究員の東京大学への派遣や活発な人材交流を通じて、未来を担う人材育成を推進していきます。

関連リンク

ゼオライトを深く知るには

研究・技術報告

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