計測分野/TSKgel® シリーズ
(分析カラム)

液体クロマトグラフィー(HPLC)は充填剤(固定相)と移動する溶媒(移動相)からなる定常場において、物質の両相との相互作用の差により生じる移動速度の差を利用する分離方法です。現在、液体クロマトグラフィーに利用されている代表的な分離モードは以下のように大別できます。

サイズ排除クロマトグラフィー(Size Exclusion Chromatography:SEC)

測定対象成分の溶液中での分子サイズに基づいて分離が行われる分離モードになります。充填剤の細孔によって個々の試料成分を分離します。 分子量の大きな成分は細孔に浸透できないか、または部分的にしか浸透できず、より小さい分子量成分は、殆どまたは全部が細孔に浸透することができます。 従って、分子量の大きな成分が最初に溶出し、より小さい分子量成分は後から溶出します。全ての細孔に浸透できる低分子は、カラムから最後に溶出します。 生化学では水系溶媒で行うSECをゲルろ過クロマトグラフィー(GFC)と呼び、合成高分子化学分野で分子量測定を行うSECをゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)と呼んでいました。

生体高分子(抗体・たんぱく質)測定用SECカラム(GFC)
TSKgel UP-SWシリーズ
TSKgel Super SWシリーズ
TSKgel SWXLシリーズ
TSKgel SWシリーズ
多糖、オリゴ糖測定用SECカラム
TSKgel PWXLシリーズ
TSKgel PWシリーズ
TSKgel SuperOligoPW
合成高分子測定用SECカラム(GPC)
1.カチオンポリマー用SECカラム
 TSKgel PWXL-CPシリーズ

2.極性溶媒系SECカラム
 TSKgel SuperAWシリーズ
 TSKgelαシリーズ

3.細孔多分散型SECカラム
 TSKgel SuperMultiporeHZ
 TSKgel MulitiporeHXL-Mシリーズ
 TSKgel SuperMultiporePWシリーズ

4.有機溶媒系SECカラム(THF,トルエン、クロロホルム用GPCカラム)
 TSKgel SuperHZシリーズ
 TSKgel HXLシリーズ

5.耐溶媒交換型有機溶媒SECカラム
 TSKgel SuperHシリーズ
 TSKgel HHRシリーズ

6.特殊溶媒及び高温GPC用カラム

イオン交換クロマトグラフィー(Ion-Exchange Chromatography;IEC)

溶離液中で、固定相に導入されたイオン交換基(対イオンを結合した状態)において、イオン性基を持つ試料を対イオンの交換によりイオン的に一旦結合させ、更に溶離液の対イオンを増加させることで固定相に吸着した試料と対イオンを再交換して溶出さえることを原理とした分離モードです。

IEC用カラムは大きく分けて、生体高分子(たんぱく質、ペプチド、核酸等)分離用カラムとイオン性の低分子有機・無機化合物(アミン類、低分子核酸、無機イオンなど)の分離用カラムに分けられます。

生体高分子分離用カラム
TSKgel STATシリーズ
TSKgel NPRシリーズ
TSKgel PWシリーズ
TSKgel BioAssistシリーズ
低分子有機化合物、中分子生体成分分離用カラム
TSKgel シリカ系イオン交換カラム
TSKgel SCX
TSKgel SAX
有機酸分析用カラム
TSKgel OApak-A
単糖二糖分離用カラム
TSKgel Sugar AXシリーズ

疎水クロマトグラフィー(Hydrophobic Inteaction Chromatography;HIC)

高塩濃度溶離液中でたんぱく質などが安定な構造を維持したまま、たんぱく質の疎水部分と充填剤の固定相に導入された疎水基との相互作用により吸着することを原理とした分離モードです。HICカラムは同様な分離作用を持つ逆相クロマトグラフィー(RPC)と比べて、生体高分子(たんぱく質、ペプチドなど)を分離中に変性させることなく、活性を維持したまま安定に分離できます。

また、たんぱく質を、疎水性の違いで分離できるため、イオン交換クロマトグラフィー(IEC)では分離できない構造異性体、凝集体などを効率よく分離できます。また、核酸類、糖類など親水性の高い不純物を吸着せずに分離除去することも利点の一つです。

疎水クロマトグラフィー用カラム
TSKgel Phenyl-5PW
TSKgel Ether-5PW
TSKgel Butyl-NPR
TSKgel BioAssist Phenyl

アフィニティークロマトグラフィー(Afifinity Chromatography;AFC)

生体内での生物特異的相互作用(例:酵素/基質、抗体/抗原、ホルモン/レセプターたんぱく質等)を利用した分離モードです。生物特異的に相互する一方の物質(リガンドと呼ばれる)を固定相に導入・固定化することで、他方の物質を吸着分離することが可能になります。このような生物特異的相互作用を利用することで、選択制が非常に高い分離、分析を行うことが可能です。

AFC用カラムは大きく分けて2種類のタイプが用意されております。既にリガンドが固定相に導入され、すぐに分離、分析が可能であり、その応用範囲も広いタイプ(群特異的アフィニティーと呼ばれる)と、固定相に活性化型の官能基が導入されており、使用者が、自分でリガンドを固定化して使用するタイプ(活性化型)が用意されています。

アフィニティーゲルの基材はポリマーゲルで、多孔性充填剤と非多孔性充填剤があります。多孔性充填剤は細孔径が100nmで10,13,20µmの粒子径の製品があります。一方、非多孔性充填剤は粒子径が5µmの製品があります。

抗体特異的AFC用カラム
TSKgel FcR-ⅢAシリーズ
TSKgel PreteinA-5PW
群特異的AFC用カラム
TSKgel Heparin-5PW
TSKgel Chelate-5PW
TSKgel BioAssist Chelate
TSKgel Boronate-5PW
活性化型アフィニティークロマトグラフィー用カラム
TSKgel Tresyl-5PW

TSKgelFcRⅢA NPR 紹介動画

順相クロマトグラフィー(Normal Phase Chromatography;NPC)

固定相の極性が高く、移動相の極性が低い条件で分離が行われます。一般に疎水性が高い低分子化合物の分離に使用さえるモードです。NPC用の充填剤には、主としてシリカ系充填剤が使用されます。順相クロマトグラフィーの一種として、親水性相互作用クロマトグラフィー(Hydrophilic Interaction Chromatography;HILIC)があります。

固定相の極性が高い点は一般のNPCと同じですが、RPCと同様の比較的極性の高い移動相を用いることが特徴です。対象試料としては糖、オリゴ糖(糖鎖)、ペプチド、核酸、親水性の農薬・薬物などが挙げられます。RPCでは保存しにくい試料が保持されるため、RPCを補完する分離モードとして広く使用されるようになりました。

RPC/HILIC用カラム
TSKgel Amide-80シリーズ
TSKgel NH2シリーズ
TSKgel Silicaシリーズ
TSKgel OH-120

逆相クロマトグラフィー(Reversed-phase Chromatography;RPC)

固定相の極性が低く、移動相の極性が高い条件で分離が行われます。一般に疎水性が高いほど強く保持され、低分子化合物の分離によく使用されるモードです。RPC用の充填剤には、主としてシリカ系充填剤とポリマー系充填剤があり、シリカ系充填剤はポリマー系充填剤に比べ一般に分離能が高いため、良く使用されます。一方ポリマー系充填剤はアルカリ性条件かでも使用可能であることが特長です。

有機ハイブリッドシリカ系RPCカラム
TSKgel ODS-120H (1.9,3,5µm)
シリカ系RPCカラム
TSKgel ODS-100V
TSKgel ODS-100Z(3,5µm)
TSKgel ODS-80Ts
TSKgel ODS-80TsQA
TSKgel ODS-80TM
TSKgel ODS-120T
TSKgel ODS-120A
TSKgel ODS-100S
など
TSKgelポリマー系RPCカラム
TSKgel Octadecyl-2PW
TSKgel Phenyl-5PW RP
など

イオンクロマトグラフィー用カラム(IC)

イオン性の低分子有機・無機化合物(アミン類、低分子核酸、無機イオンなど)の分離用カラムです。

陰イオン分析カラム
1.サプレッサ―方式用カラム:
 TSKgel SuperIC-Anion HS
 TSKgel SuperIC-Anion HR
 TSKgel SuperIC-WA
 など

2.ノンサプレッサ―方式用カラム:
 TSKgel IC-Anion-PWXLon-PW
 TSKgel IC-Anion-SW
 など
陽イオン分析カラム
TSKgel SuperIC-Cation HSⅡ
TSKgel SuperIC-CR
TSKgel IC-CationⅠ/ⅡHR

その他

  • マルチモードクロマトグラフィー用カラム
  • LC用前処理カラム

関連情報

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