NEWS RELEASE
2026年03月04日
東ソー株式会社
広報・IR室
東ソーと山形大学は、プリンテッドエレクトロニクス※1の共同研究成果として論文を発表し、2026年1月9日付で国際科学誌「Advanced Science」に掲載されました。本成果は、当社の印刷可能な有機半導体などの材料開発技術と山形大学の印刷技術・プロセス開発の融合により、環境に配慮した有機薄膜トランジスタ※2の印刷製造プロセスを確立したものです。
近年普及が進んでいる電子ペーパー※3や有機ELディスプレイの製造には、高温(300℃以上)や真空などの特殊な製造環境を要することから、エネルギー消費増大による環境負荷が課題でした。
こうした課題を解決するため、当社は長年培ってきた有機化学・高分子化学技術により、比較的低温(100~150℃)且つ常圧の印刷・塗布技術で作製可能なプリンテッドエレクトロニクス材料(有機半導体、絶縁膜材、バンク材、保護膜材)を開発しました。当社はこれらプリンテッドエレクトロニクス材料を総合的に開発していることから、材料同士を組み合わせる設計技術を強みとして、世界トップレベルの性能を示す有機薄膜トランジスタの開発に成功しています。
また、同分野において国内有数の研究機関である山形大学と連携し、印刷電極を採用した有機薄膜トランジスタの製造技術構築を進めてきました。本成果では、当社開発材の強みを生かしつつ、印刷電極を採用することで、従来の製造方法に必要な高温プロセスや真空装置を一切排除し、エネルギー消費を大幅に削減できるサステナブルな有機薄膜トランジスタの製造プロセスを確立しました。また、このプロセスで試作したバックプレーン※4を用いた電子ペーパーや有機ELディスプレイの駆動に成功しており、次世代デバイスへの展開が期待されます。
当社は、本研究の成果を活かして今後もプリンテッドエレクトロニクス材料の開発を推進し、電子ペーパーや各種次世代デバイスへの実用化を目指すとともに、持続可能なエレクトロニクス産業の発展に貢献していきます。
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導電性インクや半導体インクを印刷し、電子回路やデバイスを製造する技術。従来の製造プロセスに比べて、低コストで環境負荷が低い製造方法として注目されている。
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有機半導体を用いたトランジスタ(電流のON/OFFを切り替える素子)。薄く、軽く、曲げられるという特長から、フレキシブルディスプレイ等への応用が期待される。
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電気で表示を書き換え、一度表示すると電力を消費せずにその状態を保持できるディスプレイ。
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ディスプレイの画素を個別に制御するための回路基板。有機トランジスタを多数配置して作製される。
掲載情報
論文
| タイトル | Low-Temperature, Sustainable Manufacturing of Printed OTFT Backplanes for Electrophoretic and OLED Displays |
| 著者 | Yasunori Takeda, Miho Abiko, Kaori Watanabe, Ryoko Horie, Yasutaka Nakamura, Junghwi Lee, Shohei Yumino, Shinya Oku, Tomohito Sekine, Makoto Mizukami |
| 研究者プロフィール | 竹田泰典(タケダ ヤスノリ) 山形大学 有機エレクトロニクスイノベーションセンター 准教授 奥 慎也(オク シンヤ) 東ソー株式会社 研究本部 先端融合研究センター 先端材料研究所 |
国際科学誌
関連情報
【山形大学リリース】サステナブルな有機薄膜トランジスタ製造技術を開発 ~電子ペーパー/フレキシブルOLEDを駆動~
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お問い合わせ先
| 研究に関すること | 山形大学 有機エレクトロニクスイノベーションセンター 准教授 竹田 泰典 Email : y.takeda@yz.yamagata-u.ac.jp TEL : 0238-29-0574 東ソー株式会社 研究本部 先端融合研究センター 先端材料研究所 奥 慎也 Email : shinya-oku-az@tosoh.co.jp |
| 報道取材申し込み先 | 山形大学 有機エレクトロニクスイノベーションセンター 事務室 Email : yu-kouinoel@jm.kj.yamagata-u.ac.jp TEL : 0238-29-0566 東ソー株式会社 広報・IR室 Email : tosoh@tosoh.co.jp TEL : 03-6636-3712 |