NEWS RELEASE
2026年01月05日
東ソー株式会社
広報・IR室
明けましておめでとうございます。本年が皆さんや皆さんのご家族にとって実りの多い年になるよう願っています。また、年末年始を通して工場操業に従事された皆さんに感謝します。
昨年は、トランプ政権の始動により予想を上回る混乱が生じました。関税による日本への直接的な影響に加え、米中間の国境管理強化を受けて中国によるレアアースの輸出管理が厳しくなりました。また、中国国内では不動産不況からの回復が見通せず、生産設備の過剰を背景にデフレ輸出が続いています。ロシア・ウクライナ戦争も依然として出口が見えず、世界の分断が一層深刻化しています。一方、国内に目を向けると、大阪・関西万博の開催や、大阪大学の坂口教授と京都大学の北川教授がノーベル賞を受賞するなど、関西を中心に大きな盛り上がりを見せました。10月には奈良県出身の高市総理が誕生、成長投資への期待が高まり、日経平均株価は5万円台を突破しました。
当社に関しては、2月に創立90周年を迎え、5月には新たな中期経営計画を発表、6月に第二CR工場の建設を決定しました。11月には、東京研究センターに新研究棟およびイノベーションセンターが竣工しました。事業環境については、チェーン事業の基礎素材関連の海外市況が低迷し、先端事業においても半導体関連需要の回復が見通せず、厳しい1年となりました。
今年の経済環境においては、半導体製品の需要回復に大きな期待を寄せる一方、チェーン事業の基礎素材関連における海外市況はしばらく不透明な状況が続くと思われます。このような環境下、当社としては、次の課題に取り組みます。
- 安全について(Mission First, Safety Always)
- 「不安全な行動を続けていれば、いずれ必ず事故やけがにつながる」ということを忘れないでください。これは昨年の私の経験に基づいて計器室訪問の際に現場の皆さんにお話ししたもので、いわゆる「マーフィーの法則」です。その上で、当社としては「ルールを遵守する文化」「違和感や異常に気付く文化」「危険を察知する文化」、そして「気付きから行動へとつなげる文化」といった安全文化をしっかりと根付かせていきたいと考えています。
- 会社の成長に向けて
- チェーン事業においては、塩素関連製品の付加価値向上を図りつつ、最適な生産体制の構築に向けた検討をさらに推進していきます。先端事業では、石英やターゲットなど半導体関連製品における次なる需要の波を的確に捉えられるよう、着実に準備を進めていきます。バイオサイエンス分野では、バイオ医薬品向け分離精製剤やトヨパールの生産能力増強を進め、堅実に需要を取り込みます。セラミックス事業においては、レアアース規制への対応を強化しながら、さらなる拡販に努めていきます。水処理エンジニアリング分野では、オルガノと当社エンジニアリング部門との連携を深め、双方の事業拡大の可能性を追求していきます。
- サステナビリティについて
- 杉咲花さんを起用した当社のCMがスタートしてから、2年が経過しました。「化学は、エールだ。to be sustainable」というメッセージの下、当社が化学への絶え間ない挑戦と進化を通じて社会基盤を支える企業であることを発信してきました。サステナビリティ経営では、GHG削減と成長の両立、社会に貢献する新たな製品やサービスの提供、そして当社の活動を支える従業員一人一人の力が最も重要なものです。今後も持続的な成長を実現するために積極的に取り組んでいきます。
昨年中期経営計画を発表し、成長と脱炭素の両立を目指して活動をしていますが、現時点の評価として、2027年度の目標と2025年度の予想を比較します。チェーン事業は基礎素材における市況低迷、付加価値素材では販売数量の減少により、どちらも営業利益は目標に対して未達の予想です。先端事業についても、バイオサイエンス分野、高機能材料分野ともに市場環境の影響を受け、目標を下回る見込みです。水処理エンジニアリングについても、未達の予想となっています。
脱炭素については30%削減に向けてあらゆる方策を検討しており、2026年度から始まるGX-ETS(排出量取引制度)のルールづくりに積極的に参画しました。株主還元については、中期経営計画に沿って1株当たり100円の配当を予定し、250億円の自己株式取得を計画通り実施中です。
昨年3月、周南コンビナート脱炭素推進協議会のシンポジウムにて講演の機会をいただきました。その際、当社製品を少しでも知ってもらおうと、CMで紹介されている製品が日常生活でどのくらい使われているかをご紹介しました。子供用紙オムツ1枚には高吸水性樹脂(SAP)が10g使用されており、SAP10gの製造には約3gの苛性ソーダが使われています。ティッシュペーパー1箱には、紙力増強剤として約0.4gのエチレンアミンが使用されています。さらに、1Lサイズの牛乳紙パックのコーティング材として約3gのポリエチレンが使われています。このように私たちが生産・提供している製品は、皆さんの身近なところで日々静かにその役割を果たしています。私たちは、その事実に誇りを持ち、今年も一層の努力を重ねていきましょう。