2008.06.30

ニュースリリース

国内最大のエチレン船が就航

 東ソーグループの中核物流会社である東ソー物流株式会社(本社:山口県周南市、東ソー100%出資)は、新たにエチレン専用船を保有し、このたび運航を開始しました。エチレン積載可能量は約3,500トンと日本船籍としては最大の船型で、国内のみならず韓国、中国および東アジア全域をカバーする内外併用船です。

 東ソーおよび東ソ-グループは、ここ数年間主力事業所である南陽事業所(山口県周南市)で総額1,000億円にも達するビニル・イソシアネート・チェ-ン事業の大規模投資を行っており、将来においては更なる設備増強も視野に入れています。これに伴い現状では南陽事業所のエチレン需要量は年間60万トンを超えており、今後さらに増加することが見込まれています。エチレン調達の約半分は国内および韓国を始めとする東アジア各地より海上輸送で調達するポジションにあり、この調達物流コストの低減と安定輸送力確保のため、40船近い船舶を運航している東ソー物流が新エチレン船を保有することになりました。

 本船はエチレンをマイナス103度まで冷却して液体で輸送するため、冷凍機等から構成される再液化装置や圧力容器などの運転、保守に技術、ノウハウが要求される国内でも10船程度しかない特殊な船舶です。東ソー物流としては小型船(積荷で約800トン)、中型船(同約1,600トン)に次ぐ3船目のエチレン船であり、大型化による輸送コストの低減だけでなく、船型に応じた効率的な配船が可能となります。

 船名は東ソーグループの「東」と、搬入先である南陽事業所の「陽」をとって「東陽丸」としました。現在、アジアでは大型のエチレン誘導品計画が相次いで打ち出される一方、中東の新設大型プラントから生産されるエチレンがアジアに流入し始めており、アジア域内におけるエチレンの海上輸送量は今後ますます増大するものと予想されます。「東陽丸」の就航は、ビニル・イソシアネート・チェ-ン事業強化の一環として、こうした東アジア諸国とも近接した南陽事業所における原料調達の一層の競争力、機動力アップに貢献するものと期待されます。