1999.07.07

ニュースリリース

高性能酸素PSA剤の製造設備建設について

日本初
高性能酸素PSA剤の製造設備を建設

 東ソーは、ファイン・ケミカル事業のひとつである「ゼオライト事業」の強化の一環として、南陽事業所に年産2千トンの生産能力を有する日本初の高性能酸素PSA(圧力スイング吸着)剤の製造設備を建設することに決定、この度、第一期工事として年産1千トンの製造設備が完工、更に、市場動向を見ながら年産1千トンの第二期増強工事を行う予定です。
 投資金額は第一期、第二期工事をあわせ約30億円。

 酸素の生産方法には、温度差を利用した「深冷分離法」と圧力変化を利用した「PSA(プレッシャー・スイング・アドソープション)法」があり、現在、PSA法による酸素生産量の市場占有率は20%程度となっています。PSA法は空気中より酸素とともに窒素やアルゴンを併産する深冷分離法と異なり酸素だけを取り出すため大規模な設備を必要とせず、今後、高炉・電炉分野、ガラス溶融分野、廃棄物燃焼分野を中心に市場は大幅に拡大すると言われています。更に、高性能酸素PSA剤は、従来の酸素PSA剤と比べ窒素の吸・脱着能力に優れているため、酸素発生装置のコンパクト化や電力コストの低減、剤の減量化などが可能となり、急激に需要を伸ばしていくと見込まれています。

 東ソーは、需要拡大が予想され、かつ、市場要求の高い高性能酸素PSA剤の開発を1996年に着手、事業化の検討を進めてきましたが、ユーザーから良好なサンプル評価結果を得たこと、また、製造技術の確立を確認できたことなどにより今回の事業化に至りました。

 東ソーのゼオライト事業は、現在、吸着剤として使用されている「ゼオラム」、石油精製、石油化学分野で触媒となるハイシリカゼオライトの「HSZシリーズ」、及び家庭用洗剤などに使用されている「トヨビルダー」と三分野に製品を取り揃え、総合的に展開しています。今回、高性能酸素PSA剤を新たにラインアップ、他のゼオライトと同様、グローバル展開を強力に推し進めることで、2000年初頭には、ゼオライト事業として100億円を超す売上高を目指す方針です。