1998.12.09

ニュースリリース

ウレタン用触媒の生産能力増強について

東ソーはエチレンアミン誘導品であるウレタン用触媒の生産能力を本年12月に年産5千トンへと倍増しました。ファイン・ケミカル事業の主力製品であるエチレンアミンの生産能力は本年2月に年産4万1千トンに倍増しており、今回のウレタン触媒の増強により、エチレンアミンの川上から川下への一貫生産体制が大幅に強化されます。

 東ソーはエチレンアミンを原料とするウレタン用触媒の製造販売および研究開発を行っていますが、フロン代替に伴う製法転換で、三級アミン触媒をはじめとする新触媒の開発を推進するとともに、国内外の大手ウレタン原料メーカーおよび発泡メーカーとの連携を強化しています。こうした中、東ソーは、ウレタン製造の水発泡プロセスにおいて接着性に優れた特長を有するイミダゾール(注1)系触媒を開発、すでに同触媒を利用したウレタン製造法としての特許を日米欧などの主要国で保有しています。さらには、臭いの極めて少ない環境対応型の触媒や、ウレタンの難燃化に必要なヌレート(注2)化触媒も開発しました。

 今回の増強は、開発した新触媒を製品にラインアップし製造販売していくとともに、急速に市場が拡大しているアジア市場での対応をさらに強化するためのものです。東ソーは、97年10月にシンガポールにおいて販売会社「トーソー・ファインケミカルズ」を設立しており、欧米の販売・技術サービス拠点である「トーソー・ヨーロッパ」および「トーソー・USA」と連携を図りながら今後も日本を含めた主要市場を中心にグローバルにアミン事業を展開していきます。

(注1)イミダゾール
一般的にはエポキシ硬化促進剤や医薬品原体などとして使われてい る窒素原子2個を含む5員環状化合物。
(注2)ヌレート(イソシアヌレートフォーム)
ウレタン原料のひとつであるTDI(トルエン・ジ・イソシアネー ト)やMDI(ジフェニルメタン・ジ・イソシアネート)などのイ ソシアネートを三量化反応させてできるイソシアヌレート基を持つ 難燃性の強いウレタンフォーム。