1997.03.26

ニュースリリース

機能性エラストマー『エラステージ』の開発・発売について

東ソーは、ゴムに近い「ゴム的性質」、プラスチック同様の「成形加工性」、従来の熱可塑性エラストマーに無い「機能性」を有する高機能熱可塑性エラストマー『エラステージ』を開発、本年4月1日より販売を開始する。
 これまでサンプル配布による市場調査を進めてきたが、OA機器部品、FA機器部品、家電機器部品、スポーツ・レジャー用品などの機能性を重視している分野で高い評価を得たことにより、市場に広く受け入れられると判断し発売することに至った。
 なお、市場導入後の当面の目標として年間10億円の売り上げを目指す。

 『エラステージ』は、従来の熱可塑性エラストマーでは困難であった低硬度と強度や摩耗などの力学特性を合わせ持つ特徴を有している。
 今回発売する『エラステージ』には、シリコーンゴムに匹敵する低硬度で帯電防止性、耐摩耗性、耐寒性、耐油性、耐オゾン性などに優れカラーリングも自在な「ESシリーズ」と熱可塑性材料では最高レベルで振動・騒音エネルギーを瞬時に減衰・吸収する高性能振動吸収材の「EDシリーズ」2シリーズ合計9グレードが機能別に設定されており、それぞれの特徴を生かし市場展開を図る。
 また、『エラステージ』は射出、押出し、カレンダーといった様々な成形加工ができ、一般的な合成ゴムの加工で必要な加硫工程が不要で部品加工の成形工程の簡略化が可能。加えて、成形加工時に発生するバリ・端切れの再利用もでき、生産性・歩留りが大幅に向上する。さらには、架橋されていないため、加工製品を回収し再利用するリサイクルの対応がしやすい。

今回発売する『エラステージ』はファイン・スペシャリティー事業における機能性樹脂のひとつに位置づけられ、高付加価値分野で積極的に展開することで、同事業をなおいっそう強化・拡充していく。