基本的な考え方
東ソーグループは、コンプライアンスを確実に実践し、公正な競争を通じて利潤を追求するとともに、広く社会にとって有用な存在であり続けることを基本方針としています。
グループのコンプライアンス活動の基本は、すべての従業員と役員一人ひとりが、高い倫理観を持って、誠実かつ公正にコンプライアンスを実践することです。
東ソーグループ行動指針
「東ソーグループ行動指針」は、あらゆる腐敗行為を禁止し、人権尊重と事業活動を行ううえで遵守すべき重要事項について、CSRの観点から取り組むべき事項を盛り込み、その対応方法を示したものです。「コンプライアンスは東ソーグループの経営の根幹であり、生産や利益よりも優先されるべきもの。」というトップメッセージの下、東ソーグループの全従業員、全役員は「東ソーグループ行動指針」を遵守する義務を負っています。
日本語版、英語版、中国語版、韓国語版のほか、海外拠点における各地域の言語に翻訳し、その文化や慣習を踏まえ、周知を図っています。なお、国内グループ会社の全従業員、全役員に「東ソーグループ行動指針」の冊子を配布しています。
東ソーグループの行動指針の項目
Ⅰ. 一人一人がその能力を発揮できる快適な職場をつくる
- 法令・社会規範の遵守
- 安全・安定操業の確保
- 就業規則の遵守
- 人権尊重、差別禁止、多様性の尊重
- ハラスメントの禁止
- 健全な職場づくり
- 個人情報・プライバシーの保護
- 会社財産の適切な使用
- 情報システムの適切な使用
Ⅱ. 顧客や取引先の信頼と株主の期待に応える
- 国内外贈賄の禁止
- 不適切な接待・贈答の禁止
- 安全保障輸出管理
- 輸出入関係法令の遵守
- 独占禁止法・競争法、関係法令の遵守
- 公平・公正な調達
- 製品・サービスの品質と安全性の確保
- 反社会的勢力との関係断絶
- 競業の禁止
- 適正な経理処理、記録の管理、情報の開示
- 知的財産権の尊重
- 秘密情報の管理
- インサイダー取引の禁止
- 寄付・政治献金規制
Ⅲ. 持続可能な社会の発展に貢献する
- 地球環境保全・保護
- 社会的責任の自覚
推進体制
決められたルールを守るというコンプライアンスの実践は、従業員自身を守るだけでなく、東ソーグループ全体の経営体質強化につながると考えています。そのために、従業員にコンプライアンス重視の意識が浸透し確実に実践できるよう、コンプライアンス委員会を設置し推進体制を整備しています。
推進体制図
- コンプライアンス委員会
- 社長が指名する役員を委員長とし、関連部門の部門長からなる委員をもって構成し、年に2回の委員会を開催しています。委員会は「東ソーグループ行動指針」および関連する規程を定め、コンプライアンスの徹底を図るための体制構築・施策を立案して会社に提言するとともに、推進状況の調査・把握を行い、活動を推進しています。委員会で審議された事項については、取締役会に報告しており、その監督・指示のもと贈収賄・腐敗行為防止を含むコンプライアンス活動を実施しています。
- コンプライアンス委員会推進チーム
- コンプライアンス委員会に意見を具申し、委員会の指示に従って活動を推進しています。東ソーグループ全体でコンプライアンスを徹底するために、国内のグループ会社と年1回のグループ会議を開催し、活動状況の確認および推進支援のための情報交換を行っています。
また、コンプライアンス・ハラスメント相談の窓口として、相談事項の調査・対応を行っています。 - 事業所コンプライアンス委員会
- 各事業所におけるコンプライアンス推進のための諸施策を企画・立案・実行しています。
- 部門責任者
- 部門内のコンプライアンス推進のため、各部門に責任者を設置しています。委員会の指示に従い、従業員一人ひとりがコンプライアンスを確実に実行できるよう、部門内のコンプライアンス教育などを実施しています。
コンプライアンス・ハラスメント相談窓口
コンプライアンス違反の予防や早期是正のため、違反または違反のおそれのある行為について、その事実を速やかに認識し対応することを目的に、コンプライアンス・ハラスメント相談窓口を設置しています。社内窓口、社外窓口、監査役窓口の3つの相談窓口を設け、東ソーおよび国内外グループ会社の役員や従業員、派遣社員、協力会社従業員および1年以内の退職者(役員を除く)がいずれかの窓口を選択し、通報・相談することができます。相談窓口の利用方法や相談先をいつでもチェックできるように「相談窓口ポケットカード」を配布しています。
相談窓口は、法令・規則違反、ハラスメントなどの人権侵害および贈収賄などの腐敗行為全般に関する相談を受け付け、実名・匿名いずれにおいても事実関係の確認、調査・対応を行っています。相談内容は、その都度監査役に報告し、指導・監督を受けています。
なお、相談事項の調査・対応にあたっては、相談者の保護を社内規程に定め、慎重に行っています。
また、当ウェブサイトには社外からの相談が可能な問い合わせ窓口を設置しています。
さらには、国内外グループ会社においても相談窓口を設置しており、グループで相談しやすい体制を整備しています。
コンプライアンス・ハラスメント相談窓口運用基準(一部抜粋)
- 相談者の氏名その他個人を特定する情報は、調査・対応上必要な場合のほか、法令に基づく場合等の正当な理由がある場合を除き相談窓口の受付担当者・調査担当者、その他相談窓口の関係者(調査に関係する者を含む)以外の者が知ることはありません。
- 相談者がルールに従った通報をしたことを理由として、相談者に解雇、懲戒処分、退職勧奨、更新拒否、事実上の嫌がらせその他一切の不利益な取り扱いがなされることはありません。
- 相談者に不利益な取り扱いがなされたことを確認したときは、適切な救済・回復の措置を講じます。
コンプライアンス・ハラスメント相談窓口 相談件数
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
---|---|---|---|
件数 | 10件 | 15件 | 33件 |
海外※ | 1件 | 2件 | 1件 |
- 海外グループ会社からの報告・相談件数。
2022年度は、33件の相談(海外からは1件の報告)が寄せられましたが、事業活動に影響を及ぼすような重大な案件はありませんでした。内容としては、ハラスメントに関連する相談が多くありました。それぞれの相談に対しては、事実確認の実施や当事者への注意など必要な対応をし、その後の状況確認などのフォローを行っています。
体制図
2022年6月からコンプライアンスとハラスメントを一本化した相談窓口体制に変更しています。
コンプライアンスアンケート
コンプライアンス活動の状況や相談窓口などの体制の理解度を測るため、アンケートを毎年実施しています。アンケート結果をもとに、従業員のコンプライアンス意識向上や活動推進のさらなる向上を目指し、教育や諸施策の立案につなげています。2022年度は、東ソー在籍の国内従業員すべてを対象として実施し、回答率は90.6%でした。また、幅広い意見を収集するためにアンケートに自由記載欄を設けており、記載された意見については、今後のコンプライアンス活動に反映させながら、さらなる活動を推進しています。
コンプライアンス教育
- 「コンプライアンス・ハラスメント相談窓口」の周知徹底
- 2022年度は、公益通報者保護法改正(2022年6月1日施行)に伴い、社内規程の改訂およびコンプライアンスとハラスメントの窓口を一本化した体制へと移行しました。東ソーおよびグループ会社向けの法改正資料やポスターを作成するとともに、社内通報窓口の認知度向上に向けた取り組みとして、ポケットカードの配布およびポスターの掲示を行っています。
- コンプライアンス研修
- 東ソー在籍の従業員を対象に、新入社員や各階層別研修でコンプライアンスや贈収賄・腐敗行為防止などに関する事項の教育を毎年実施しています。内容については、従業員が身近なものとして考えることができるよう、わかりやすいケーススタディを取り上げながら意識付けを行っています。さらに、各職場において、コンプライアンスに関する教育を毎年実施し、意識の浸透ならびにルール遵守の徹底を図っています。
また、社内イントラネットやe-ラーニングなどを活用し、グループ会社と情報共有しながら、グループ一体となったコンプライアンス教育を推進しています。 - 法務説明会
- 独占禁止法、下請代金支払遅延等防止法(下請法)、不正競争防止法、外国為替及び外国貿易法(安全保障輸出管理)、各国贈収賄禁止などの重要な法令の概要および業務上の注意点などについて、各階層別研修や国内グループ会社を含めた従業員への説明会を実施しています。さらに、海外に赴任する従業員に対して、現地の法令の留意点などを含めた教育を実施しています。
また、e-ラーニングなどを活用した重要な法令に関する学習をはじめ、社内イントラネットを利用した情報発信を通して、従業員に対する教育を継続実施しています。
内部監査
内部監査専門部署である監査室は、当社およびグループ各社の内部統制の改善・強化に向け、業務に関する内部監査などを実施しています。また、コンプライアンスについても内部監査で、当社およびグループ各社の推進体制や運用状況などに関して監査・評価を行っています。
なお、監査結果は社長および監査役に適宜報告しています。