富山事務所をリニューアルしました

2022年6月9日、スペシャリティ事業の一翼を担う富山地区 富山事務所をリニューアルしました。
今回は新事務所の全貌とともに「富山に何で事務所があるの?」といった疑問を紐解き、また富山で事業を行う東ソーグループ6社を一挙紹介します。

新事務所を大公開!

エントランス

天井面のインパクトのあるロゴデザインで来訪者をお迎え。ガラス越しに見えるツリーオブジェ「ケミスツリー」で期待感を高めます。

エントランスホール

天に向かって枝を伸ばすシンボルオブジェ「ケミスツリー」(Chemistry+Treeの造語)は富山の立山杉をモチーフに、背景には立山連峰を描きました。大型ビジョンは、東ソーおよび富山事務所の事業領域の広がりを伝えます。

展示エリア

4つのブースに分かれており、ヒストリーブースでは東ソーと富山地区の歩みを年表で紹介。主要3社ブース(ゼオラム、エイアイエイ、セラミックス)では、各社製品の展示に加え、会社概要をタッチモニターで紹介しています。

グローバルウォール&東ソープロダクト

壁面では、東ソーのグローバルな事業規模のスケール感を紹介。また、県内のグループ会社の主要製品を展示することで、多様な製品を開発提供している“総合化学メーカー”であることを視覚的に伝えます。

なぜ富山に事務所があるの?

1929年、第二東洋ソーダ(保土ヶ谷化学工業の傍系会社)が設立され、同社は保土谷化学工業による吸収合併、鐵興社による買収という変遷をたどります。その後、1975年に当社と鐵興社が合併したことで「東洋曹達工業(現 東ソー) 富山工場」となり、富山事務所の歴史が始まりました。

当時から製造されていた吸着剤「ゼオラム®」は継続しながら、1988年には東ソー・セラミックス㈱を設立し、セラミックス事業を開始。1989年には免疫診断試薬工場を新設しました。

2000年代に入ると、国際競争力の一層の強化が求められ、ゼオラムは東ソー・ゼオラム㈱に、免疫診断試薬は東ソー・エイアイエイ㈱として分社化。こうして富山工場は製造部門がなくなり、土地・建屋の管理および外部との対応を担う「富山事務所」に職制変更されました。

旧事務所

富山で事業を行う東ソーグループ

東ソー・ゼオラム株式会社

会社概要

設 立 : 2001年6月
本 社 : 富山県富山市岩瀬古志町2
事業内容: 吸着・脱水用途向け合成ゼオライトの製造
従業員数: 36名(2022年4月1日現在)

「ゼオライト」とは
沸石と呼ばれるアルミノ珪酸塩鉱物で、結晶構造に由来した微細な空洞(細孔)を有しています。その細孔径よりも大きな分子は進入することはできないという分子ふるい作用に加え、固体酸性、イオン交換能、触媒能、吸着能などの特性をもっており、その機能を生かして吸着剤、触媒、乾燥剤、イオン交換剤、排水処理剤などとして、幅広く利用されています。また近年では、自動車排ガスの処理触媒としても利用が広がっています。

主要製品

製品名 特長 用途
ローシリカゼオライト ゼオラム® 分子を吸着し、気体や液体(溶媒など)の脱水および分離精製が可能 ・気体の吸着分離、精製
・溶剤や電池用電解液の脱水、精製
・医薬品や精密機器の乾燥
ハイシリカゼオライト HSZ® シリカ比が高く、疎水性、耐熱性、耐酸性に優れる ・酸性ガスなどの脱水、精製
・石油化学触媒
・VOC(揮発性有機化合物)の濃縮、回収

特長・強み

ゼオラムは元々、東ソーの製品であったこともあり、グループ内で製販研(製造・販売・研究)一体となって情報共有を行っています。原料のハイシリカゼオライト粉末は、南陽・四日市両事業所から購入しています。

また、東ソーは当社のユーザーでもあり、複数の部門のプラントで当社製品が使用されています。

Interview

代表取締役社長 原田 敦

当社の創立は2001年ですが、事業は1969年に開始し、吸着剤を中心としたローシリカゼオライト成形品の事業を行っていました。しかしこの分野は世界中の競合との激しい価格競争が続く厳しい事業ゆえ、2013年より当社の成形技術を生かして、南陽・四日市の両工場で製造しているハイシリカゼオライト(粉末)の成形品を事業化しました。すると多様なニーズがあり、当社の主力製品として育成しています。ハイシリカゼオライト成形品の事業領域は、環境、エネルギー、石油化学など多種多様で、東ソーグループ内の技術の融合が生み出した成功例になるものと期待しています。

今後もユーザーのニーズにタイムリーに製品を提供し続けられるよう、常に新陳代謝を意識しつつ、環境負荷を低減する製品を増やしていきます。

東ソー・エイアイエイ株式会社

会社概要

設 立 : 2001年6月
本 社 : 富山県富山市岩瀬古志町2
事業内容: 免疫反応を利用した体外診断用医薬品などの製造
従業員数: 105名(2022年7月1日現在)

「試薬」とは
診察時に、病気の状態を確認するための検査(臨床検査)は、患者の体に直接的に行われる「生体検査」と、人に由来する試料(主に血液)を検体として使用する「検体検査」に大別されます。そのうち「検体検査」に用いられる薬品が試薬(体外診断用医薬品)です。試薬を使うことで、物質の検出・確認、定量などが行え、診断・治療・予防にもつながります。

主要製品

製品名 特長
AIA試薬 Eテスト「TOSOH」Ⅱシリーズ 1988年に販売開始した1穴タイプの試薬。
糖尿病、心疾患、婦人科疾患、腫瘍など、現在66目の検査が可能。
AIA-CL試薬 AIA-CL パックシリーズ
2014年に販売開始した2穴タイプ(2ステップ法)の試薬。
迅速化、高感度化など、AIA試薬の進化版として現在60項目ラインナップし、今後は85項目を上市予定。
AIA試薬 Eテスト「TOSOH」Ⅱシリーズ
AIA-CL試薬 AIA-CL パックシリーズ

特長・強み

バイオサイエンス事業における免疫診断事業は、新型コロナウイルスの診断などでも活躍し、今後も伸びゆく市場。当社は製販研に加え、ユーザーサポート(メンテナンス、問い合わせ窓口)までグループ内に体制が整っています。

お知らせ
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  新型コロナウイルス関連試薬も販売中!
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2021年4月から抗体検査4試薬、同年9月から抗原検査試薬を国内発売中。その他にも東ソー独自の卵巣明細胞がんマーカー(TFPI2)を同年7月より販売しています。

Interview

代表取締役社長 新谷 晃司

当社の強みの1つは、医薬品として世界中に製品を販売していること。もう1つは、バイオサイエンス事業は製販研に加えユーザーサポート部門までの一連の事業をグループ全体で行っていることです。1998年から発売しているAIA試薬は、当初は測定時間が全工程で50分だったものを20分に短縮。さらには2014年発売のAIA-CL試薬で15分を達成し、ユーザーに大変喜ばれています。

今後の目標は、AIA-CL試薬を広く海外展開し、販売増、生産アップに応じ、第3工場を新設することです。また人材教育や人事制度に注力し、働きがいを持てる会社にしていきます。地域貢献では、近年は環境保全に岩瀬浜海岸のごみ拾いにも取り組んでいます。こうした取り組みから、富山の(試)薬メーカーとして地域に認められる会社を目指します。

東ソー・セラミックス株式会社

会社概要

設 立 : 1988年4月
本 社 : 東京都港区芝3-8-2
富山工場: 富山県富山市岩瀬古志町2
事業内容: 精密セラミックス加工品、射出成形用セラミックスコンパウンドの製造
従業員数: 137名(2022年7月1日現在)

「セラミックス」とは
無機物を加熱処理し焼き固めた焼結体を指し、陶磁器なども含まれます。なかでも高精密に作られたセラミックスは「ファインセラミックス」と呼ばれ、従来に比べ高度な機能を持つことから、半導体、自動車、産業用機械、医療分野など幅広い分野で使われています。

主要製品

製品名 特長
精密セラミックス加工品(焼結体) 医療機器の部品や装飾用部品などを数多く生産しています。
しかしながらほとんどがユーザーとの契約で詳細は”秘密”となっています。
セラミックスコンパウンド(装飾用途) 色の異なる材料を成形工程で一つの部品として成形する「多色成形」を開発し、より複雑なデザインの製品の作製を可能にしました。

特長・強み

セラミックス事業は、東ソーと共に製販研一体となって進めており、「東ソーの高い研究・開発力、高い品質安定性」×「東ソー・セラミックスの高い“ものづくり”技術」=【東ソーグループの強み】となっています。

現在は、世界のニーズをいち早くキャッチできる東ソーからの情報と当社の技術力を生かし、「第3の事業」となる新用途を模索中です。

ここに注目!
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  セラミックスコンパウンドはこんなところに使われています
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カシオ「オシアナス」

かつては2色以上のセラミックスを合わせることが技術的に不可能でしたが、東ソーは「多色成型」を実現させました。高級時計のベゼル(文字盤の外周部分)に使用されています。

Interview

取締役工場長 渡邊 正広

当社の強みは、東ソーで研究開発されたジルコニア粉末の高品質および安定性と、射出成形の技術です。コンパウンドでは独自配合により、他社との差別化を図っています。しかし一番の強みは、やはり「従業員」。当社製品は緻密ゆえに細かな作業には人の手と目が欠かせません。

昨今は、業績が好調の半面、人材不足が課題となっています。県内でCM放映をはじめ、独自に広報活動も行い、さらに派遣・契約・パート社員にも注力し、働き方改革を推進中です。今後も従業員の声に耳を傾け、「従業員ファースト」の体制強化を目指します。また、「第3の事業」の開拓では、アンケートで挙がる用途にあわせて試作とユーザー訪問に取り組んでいます。ユーザー訪問は多くの情報が入るため力の付く業務です。若い社員には、ぜひこうした経験を積極的に積んで、将来に役立ててもらいたいです。

もっとあります!富山地区のグループ会社

燐化学工業株式会社

高純度リン酸、汎用リン酸、リン酸塩、赤リン系難燃剤、金属表面処理剤などを製造販売しています。

“リン”は金属洗浄や石油・油脂精製、食品添加物、水処理剤などに加え、電子材料のエッチング剤として電子工業にも使われ、人々の暮らしに幅広く役立っています。

東ソー物流株式会社

海上・陸上・港湾運送、船舶代理店業、通関業、産業廃棄物収集運搬業、倉庫業、通運業、生産物流業といった物流事業をはじめ、損害保険代理業、生命保険代理業と多岐にわたった事業を展開しています。

東ソー富山地区内に富山営業所が同居しており、同敷地内の富山3社の構内作業や製品輸送を請け負っています。

東北電機鉄工株式会社

東ソーグループの総合エンジニアリング会社として長年にわたり、高い技術と品質で設計から施工、そしてアフターメンテナンスまで、ワンストップなサービスを提供しています。

東ソー富山地区内に富山事業所が同居しており、富山4社の設備管理や工事全般を請け負っており、新富山事務所の新設工事も担当しました。

関連情報

  • 本記事の内容は掲載当時のものとなります。