PEOPLE
06
機械・電気・ソフト技術のまとめ役となって
世界の臨床現場のニーズに応える
最先端の測定装置を実現

鈴木 斗夢
バイオサイエンス事業部 第一開発部 装置グループ
2019年入社
※掲載内容は取材・撮影時のものです。
PROFILE
入社後は免疫測定装置の開発グループに本配属され、OJTのもとで装置を構成するパーツや技術要素の基礎知識の習得から業務をスタートしました。以降は一貫してシステム設計担当として、免疫測定装置の新製品開発や保守業務に携わっています。
技術面接を通じて、
研究開発を本気で大切にする企業だと
確信しました。

東ソーとの出会いは?
大学院では薬学を専攻し、物理化学分野の研究室で顕微鏡装置の組み立てや、取得した画像データの解析に取り組んでいました。こうした経験から、次第に医療機器や検査装置の研究開発に興味を持つようになりました。就職活動を始めた頃には「世の中の研究活動を支える装置の開発に携わりたい」と考えており、大学の合同説明会で偶然立ち寄った東ソーのブースで、その思いが確信に変わりました。それまで東ソーを総合化学メーカーとしてしか認識していませんでしたが、紹介していただいた研究内容や医療機器事業の説明が非常に興味深く、異なる技術領域を融合して高付加価値な製品を追求する企業であることを知り、入社を強く希望するようになりました。
入社の決め手と入社後の印象は?
選考の過程で特に印象に残っているのが、一次面接で行われた技術面接です。初期の段階から入社後の上司となる面接官の方々に、自分の研究内容を真剣に聞いていただけたことで、「東ソーは本気で技術に重きを置く会社だ」「ここなら技術者として成長できるに違いない」と確信し、入社を決めました。
実際に入社すると、その先入観は良い意味で覆されました。企業では研究や開発が細かく管理され、「このやり方で進めなさい」と指示されるものだと思い、少し不安もあったのですが、東ソーではまったく違いました。「まずは自分のやり方でやってみて、わからない箇所があれば相談する」というスタイルで、主体性を尊重してもらえます。自分の判断で研究を前に進められるため、非常に働きやすさを感じています。
開発全体を俯瞰するシステム担当は、
専門分野を越えて
必要な知識を吸収しながら成長できます。

現在の業務内容は?
東ソーが展開する医療機器、化学発光酵素免疫測定装置(AIA®シリーズなど)の開発に携わっています。私たちの扱う診断システムの開発は、装置を開発する部門と試薬を開発する部門に分かれて進められます。私は装置側のシステム設計を担当し、電気・ソフトウェアの各担当者をつなぎ、技術要素を適切に統合しながら、計画どおりに動く装置をつくり上げる“開発全体のまとめ役”を担っています。
現在は、既存ラインナップでカバーしてきた大規模検査センター向けの大型機と、クリニック向けの小型機の“間”を埋める新モデルの開発を進めています。海外の医療現場のニーズにも寄り添う製品であり、大きなやりがいを感じながら取り組んでいます。
システム担当として大切にしていることは?
システム設計では、機械(メカ)・電気・ソフトウェアそれぞれの担当者の設計意図を正しく理解し、整合を取りながら一つの装置として成立させることが求められます。特に意識しているのは、「よくわからない部分」を曖昧なままにしないことです。装置を構成する技術の基本を理解していないと、開発途中で不具合が発生した際に原因を迅速に特定できず、大きなロスにつながりかねないからです。専門外の内容であっても、「自分の担当ではないから知らなくていい」と考えるのではなく、基本的な理論を自分の中にきちんと落とし込むよう心がけています。専門性そのものでは機械・電気・ソフトウェアの担当者に及びませんが、開発全体を俯瞰する立場として、分野を越えて必要な知識を吸収し続けられることが、システム担当ならではの大きな成長機会だと感じています。
社内の各部門と連携しながら、
誰にとっても使いやすい
ユーザーインタフェースという、
「正解のない課題」に挑んでいます。

仕事の面白さとは?
私たちの装置開発には、ユーザーインタフェースという「正解のない問題」に向き合う面白さがあります。装置が導入される医療現場は、検査室の規模やオペレーターの経験値、作業フローなどが施設ごとに異なるため、ユーザーにとっての使いやすさは一様ではありません。
そのため、「誰にとっても最適なユーザーインタフェース」を追求しながら、社内のカスタマーサポート部門や営業部門と連携し、システムとしてできる限り使いやすい形へと磨き上げていきます。
そこに、モノづくりならではの醍醐味があると感じています。
印象的な案件を教えてください
以前、既存装置に「新しい形態の試薬」を適用させるプロジェクトに参画したことがあります。代替品(仮の試薬)を使って装置の動作確認を行った際は問題なく測定できたため、当初はスムーズに進むと思われました。ところが実際の試薬で測定すると、「特定の条件下で再現性が安定しない」という問題が発生しました。既存装置の改良が前提のプロジェクトであったため、装置の根本構造や動作を大きく変更することはできません。
それでも、原因そのものは比較的早く特定でき、対策も見つけることができました。ただし、その対策を実行するには試薬の使用量が増えるなどのトレードオフがあり、バランスの取れる解決策を模索する必要がありました。いくつもの課題をクリアしなければなりませんでしたが、厳しい制約の中で技術的な解決策を導き、それを形にできたことで、確かな自信を得ることができました。
「これをやりたい」という志があれば、
その“やりたい”を“できる”へと変えていける。
それが東ソーという会社です。

どんなエンジニアを目指しますか?
装置開発の責任者として、一つの製品を上市までリードできるようになりたいと考えています。機械・電気・ソフトなど複数の技術領域の中心に立ち、全体を俯瞰して最適なシステムを設計し、実現できる人材を目指しています。周囲の先輩方のキャリアを見ていると、30代後半頃からプロジェクトを主導する役割を担うことが多いようですから、自分もその年代までには確実にスキルと経験を積み重ねていくつもりです。
また製品分野としては、現在は主に大型装置のシステム設計を担当していますが、機会があればPOCT(Point of Care Testing:臨床現場即時検査)に対応する小型診断装置の開発にも挑戦してみたいと思っています。医療現場では、より身近な場所で迅速に検査結果が得られる小型機器への需要が今後さらに高まると考えられています。私は、こうした成長市場で、より豊かな医療に貢献できる仕事をしていきたいと考えています。
学生に伝えたい東ソーの魅力は?
「やってみたい」と思う気持ちがある人に、東ソーは必ずチャンスを与えてくれる会社です。東ソーで大切なのは、「今、自分にできること」ではなく、「次に、自分が何をやりたいか」。やりたいという志さえあれば、研修制度や先輩・上司の手厚いサポートを受けながら、その“やりたい”を“できる”へと確実に変えていける環境があります。
さらに、東ソーのビジネスフィールドは想像以上にグローバルに広がっています。私たちの計測・診断装置は国内だけでなく世界中で活用されており、エンジニアが海外グループ会社に駐在して技術サポートを行うなど、国境を越えて活躍できる機会もあります。

