PEOPLE
01
あらゆる素材に導電性をプラスする
独自素材の研究開発を通じて
専門領域を「極める」人になりたい

青木 榛花
機能材料研究センター 有機材料研究所 ファインケミカルグループ
2022年入社
※掲載内容は取材・撮影時のものです。
PROFILE
東ソーで働く大学の研究室の先輩から聞いた、社員の人柄や職場の雰囲気に共感して入社。
1年目から現在に至るまで、すぐに東ソー独自の高付加価値材料、導電性高分子 SELFTRON®の開発業務に従事。
入社してすぐに
会社の戦略的な製品を任されたことに
モチベーションが高まった。

就職活動への思いは?
大学で学んだ化学の知識を活かして、基礎原料から高機能材料まで一貫してモノづくりに携われる企業で働きたいと考え、就職活動は総合化学メーカーを中心に進めました。東ソーに注目したのは、基礎化学品から高付加価値な材料まで幅広い製品群を有していて、保有する技術の裾野が極めて広かったからです。「東ソーならば、自分の専門分野を軸にいろいろな開発に挑戦できるに違いない」と思いました。
また、大学の研究室の先輩から聞いた、東ソーでの働き方や社風にもひかれました。そこで語られる社員の皆さんの誠実な働き方や研究活動への姿勢がとても印象的で、「東ソーなら自分の好きな研究に打ち込むことができそうだ」と感じました。
新人時代の様子を教えてください。
入社後は有機材料研究所に配属され、現在も同じ部署で研究開発に携わっています。担当しているのは、東ソー独自の導電性高分子SELFTRON®(セルフトロン)です。営業との連携のもと、お客さまのニーズに合わせて材料を改良し、サンプル提案につなげていくのが主な役割です。
材料の配合や処方を工夫しながら、より良い特性を引き出す――。社会に出てすぐに、学生時代の研究とは異なる「実用化を目的とする開発」の難しさと面白さを味わうことができました。
大学の研究室で身につけた
実験の計画・実施のノウハウ、
データの基礎的な分析・評価力は、
今の仕事に活きている。

SELFTRON®について詳しく聞かせてください
SELFTRON®は東ソー独自の導電性高分子で、添加剤不要(自己ドープ型)で高い導電性を発現します。また、水や有機溶剤に溶解するため、各種材料と均一に混合できるのが特徴です。これらの特性を活かし、コンデンサや帯電防止剤、太陽電池など幅広い用途に展開しています。例えば、塗料にSELFTRON®を配合してコーティングすることで、塗膜表面に帯電防止性を持たせることで、静電気の発生を防ぎ、埃の付着を抑制するなどの新たな機能を付与できます。
顧客ニーズに応じて改良検討(処方検討など)を行うのが私の仕事です。大学では扱わなかった分野なので、任された当初は不安もありましたが、新しい技術に取り組めることに大きなやりがいを感じ、前向きな気持ちで業務に挑むことができました。
大学の勉強はどう活かされていますか?
私の大学での研究テーマは、ナノ材料の開発でした。SELFTRON®のようなポリマーとは異なる分野でしたが、研究室で身につけた基礎的な分析・評価力は、今の仕事に活きています。材料を評価する視点や、データの信頼性を見極める感覚の大切さは、どんな分野でも共通するものだと実感しています。また研究開発では毎日のように実験を行うわけですが、「実験の条件を検討して計画を立て、それを実施して、得られた結果から次の一手を考える」という流れも、学生時代の研究で自然と身についた力です。その他、思い通りに結果が出ない時に妥協しない「粘り強さ」や、仮説を立てて検証を繰り返す「継続力」なども、今の研究活動の糧になっています。
自分で立てた仮説が
実験によって裏付けられる瞬間。
試行錯誤を乗り越えた達成感は格別。

仕事の面白さは?
研究開発の醍醐味は、自分で立てた仮説が実験によって裏付けられる瞬間にあります。自分の仮説の思い通りにいかないことの方が多いのですが、試行錯誤の末に、課題を解決できたときの達成感は格別です。また未知の手法を見つけ出そうという研究者の探究心と、お客さまのニーズに応えようという企業人としての思いの両方が求められる点も、仕事の面白さです。以前に、お客さまの材料に合わせてさまざまな処方を検討し、凝集や沈降を防ぎつつ導電性も確保したサンプルを提出し、好結果が得られた時は、研究者としても東ソーの社員としても、満足感がありました。
印象に残るエピソードを教えてください
入社2年目に、海外の展示会に、セルフトロンの説明員として参加したことが印象に残っています。海外旅行の経験はありましたが、ビジネスの場で海外の方々と接するのは初めての私は、「製品の魅力をどう伝えればいいのか」「どんな質問が来るのだろうか」など、渡航前は不安でいっぱい。現地では無我夢中で、あっという間に時間が過ぎましたが、多くの来場者と話す中で、自分の知らない考え方や価値観に触れてたくさんの刺激を受けました。
「海外の人は、こういう視点で製品を見るのか」「こんなスピード感で仕事を進めるのか」という気づきが多く、研究開発者としての視野が大きく広がりました。若手のうちから、思ってもみなかったチャンスを与えてもらいありがたく感じました。
自ら立ち上げた研究を
自らの手で育て上げられる研究者になりたい。

どんな研究者を目指しますか?
東ソーにはさまざまなタイプの研究者がいます。私自身はどんなタイプか?というと、積極的に手を動かして実験を行い、仮説と検証のサイクルを早く回すことを心掛けています。もちろん、論文や文献による事前調査にもじっくり取り組むことを大切にしていますが、私は実験を積み重ねることこそが研究開発には重要でないかと考えています。今後も実験を通して技術と知識をさらに磨き上げ、将来的にはひとつの専門領域を「極める」研究者を目指したいと思っています。私が考える「極める」とは、単に知見を有するだけでなく、自らの手で新たな材料を生み出し、それを事業化までつなげられる力を持つことです。
SELFTRON®を最初に開発された先輩のように、自ら技術を育て上げられる研究者になることが目標です。
最後に学生へのメッセージを
東ソーは、少数精鋭の体制で、若手でも主体的に挑戦できる環境があります。難しいテーマも課せられるかもしれませんが、心配は無用です。上司は「結果だけ」ではなく、「そこに至るまでのプロセス」をきちんと見てくれますから、失敗を恐れる必要はありません。しかも上司や先輩は、常に親身に相談に乗ってくれます。研究途中で新しいアイデアや課題に気づいたら、いつでも話を聞いてくれますし、意見や提案を受け止めてもらうことができます。この環境があれば、安心して未知の領域に挑戦し、研究者として成長していけると思います。

