東ソーは明日のしあわせを実現するために、
常に新しい取り組みを探究し続けています。
ここでは、いま、東ソーが挑んでいる最新のトピックスを、
ダイジェストで紹介していきます。

持続可能な地球環境のために

産官学協働で取り組む
プラスチックフィルムのリサイクル技術

東ソーが産官学協働で取り組む「多層プラスチックフィルムの液相ハイブリッドリサイクル技術の開発」が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「廃プラスチックを効率的に化学品原料として活用するためのケミカルリサイクル技術の開発」委託事業に採択されました。
この技術は、包装・容器に多く使用されている多層プラスチックを高温高圧水中で処理することにより、特定のプラスチック成分のみを原料にまで分解して、得られた原料と単離されたプラスチックの双方を再利用するもの。食品等で汚染されたプラスチックごみをそのまま処理できる可能性を有しており、一般ごみのリサイクル率向上に寄与することが期待されています。

革新的なCO₂分離回収技術で
地球規模の気候変動問題に挑む

東ソーが九州大学と協働で進める「革新的CO₂分離膜による省エネルギーCO₂分離回収技術の研究開発」。これは、アルカノールアミンを高分子マトリックスに担持した高分子膜を用いたCO₂分離中空糸膜モジュールに関するもので、高純度のCO₂を分離回収することが可能となります。
東ソーでは産学連携により、この中空糸膜モジュールを用いた省エネルギー型の石炭火力発電の排ガス中からのCO₂分離回収技術の確立を目指しており、気候変動問題に関わる温室効果ガス排出量削減につなげたいと考えています。

人々の健康のために

新型コロナウイルス検査試薬を
2020年8月より販売開始

東ソーのバイオサイエンス事業の一翼を担う遺伝子検査システムは、「迅速」「簡便」「小型」を特長としていますが、そのシステムを利用した新型コロナウイルスの検査試薬「TRCReady® SARS-CoV-2」を体外診断用医薬品として、2020年8月7日に販売開始しました。
これを使用することで、高感度かつ簡便な操作で、約40分程度で新型コロナウイルスを検出することが可能。検査作業の効率化を促進し、医療・検査従事者の作業負担を大幅に軽減します。また小型装置であることから、より多くの医療機関・検査施設に設置しやすく、新型コロナウイルスの感染拡大防止や検査体制の拡充にも貢献できるものと考えています。

がん転移の研究進展を加速する
血中異常細胞の解析受託事業

東ソーでは、血中に存在する異常細胞を検出し、がん関連遺伝子の変異を解析する技術を確立。解析結果の研究活用を目的とする研究機関や製薬企業向けの細胞解析受託事業を、(株)東ソー分析センターにおいてスタートしています。
この技術を使ったヒト肺腺がん細胞株を添加したモデル検体による解析試験では、添加がん細胞の80%以上を異常細胞として検出。また、がん関連遺伝子の変異解析では、回収した異常細胞について50種類のがん関連遺伝子の変異の有無が解析可能です。
東ソーでは今後も多様な細胞や分子を分離・検出する技術の確立を進め、診断・ヘルスケア分野での応用展開を通して人々の健康的な生活の実現に貢献していきます。

その実現に向けて、
研究・開発・生産をさらに深化させる

事業機会の創出、事業拡大に向け
東京大学に社会連携講座を設置

東ソーと東京大学大学院工学系研究科は、次世代の吸着・分離用途、環境浄化等の触媒用途における高機能ハイシリカゼオライトの創出及び高効率合成プロセスの開発を目指し、同研究科に社会連携講座を設置しています。
同研究科の大久保達也教授、脇原徹准教授の研究室は、ゼオライトを中心とする多孔体の先進的研究を国内外でリードする存在であり、東ソーではこの社会連携講座を通して、省エネルギーや環境負荷低減におけるキーマテリアルとなる高機能ハイシリカゼオライトの高効率合成手法の開発を推進。多様化する顧客ニーズに応え続けるために、従来にない発想のもとで、材料設計の重要工程であるゼオライト結晶化技術を深化させていきます。

韓国合弁会社の設立により
低燃費タイヤ用シリカの生産能力を増強

東ソーグループの東ソー・シリカ(株)は、韓国の南海化学(株)と合弁会社を設立し、低燃費タイヤ用シリカの生産拠点の建設を進めています。
低燃費タイヤ用シリカは、自動車の低燃費化や電動化に合わせ、転がり抵抗を減少させることで自動車の燃費改善などのタイヤ性能向上に優れた効果を発揮する材料として、今後も需要の拡大が見込まれています。東ソーでは、これまで培ってきた高い技術力を背景に、ますます拡大する需要に対応した製品の安定供給を目的として、海外に第二の生産拠点を確保することで、事業基盤の強化を図っています。