
「脱炭素」という社会課題に
挑むために、
触媒技術を深化させる。
2019年入社
- 経歴
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- 2012年〜2015年
- 日本学術振興会特別研究員(PD)
- 2015年〜2019年
- 国立大学 助教
- 2019年〜
- 東ソー
- 経験・スキル
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- 有機合成化学
- 有機金属化学
- 触媒化学
- 志望動機
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前職では、大学の助教として有機合成化学の研究に携わっていました。社会的な課題である温室効果ガスの削減に、より実用化に近いポジションで携わりたいと思い、企業の研究部門への転職を考えました。前職では触媒化学にも関わっており、その経験を最大限に活かせると感じて東ソーへの入社を決めました。
社会的課題であるカーボンニュートラルに、実用化に近いポジションでチャレンジしたかった。
私は、石化・高分子研究センターに所属し、触媒研究を担当しています。私たち触媒研究グループのミッションは、石油化学関連に用いられる高性能な触媒・プロセス技術の開発を通じて、事業の持続的成長やカーボンニュートラル化に貢献することです。私は現在、他部署が進めるプロジェクトを支援する形で、CO₂有効利用プロセスの開発に携わっています。これは公的な研究機関等と共同で取り組むプロジェクトです。火力発電所などから排出されるCO₂を利用して、イソシアネートやジアルキルカーボネートなどのポリウレタン原料の製造技術の確立を目指しています。私の専門である反応開発や触媒開発、シミュレーション技術を駆使して、プロセスの最適化や収益性の検討などに取り組んでいます。
私は、前職では大学の助教として有機合成化学の研究を行っていました。近年、社会的な課題としてクローズアップされるCO₂排出削減に、より実用化に近いポジションで研究開発に携わってみたい。そう考えたことが、東ソーに入社した一番の理由でした。現在、まさに想い描いたとおりの仕事にチャレンジできていると感じています。

さまざまな場面で活きる有機合成化学の知見。
アカデミアと企業のギャップは意識していない。
前職では、有機合成化学に加え、触媒化学にも関わっていました。しかし、同じ触媒といっても前職のテーマが均一系だったのに対し、現在の部署では固体触媒が中心。その意味では、前職の経験が大いに活きている一方、新しく学ぶことも多かったように思います。
それだけに、東ソーに入社して最初に担当したテーマが印象に残っています。あるプロセスの実用化を検討するプロジェクトに参加し、固体触媒の生産から理論、化学工学に基づくスケールアップまで、実用化のステップを直に経験し、多くの知見を得ることができました。おそらくそれまでの私の経験を考慮してアサインされたテーマだったのだと思います。
「現象の本質を捉えよう」というアカデミアで培った姿勢も、現在の開発に役立っています。一方で企業での研究開発では、事業への貢献といった「成果」が重視されます。このようなギャップは入社前から既に考えていたので、特別意識することはないように感じています。

ボトムアップのマインドを尊重することも東ソーに入社して気づいた文化だ。
自分の得意とする技術や知識を共有し積極的に水平展開していく。このような東ソーの文化も、私の成長を後押ししてくれているように思います。専門外のことで他部署の技術者に相談したりすると、誰もが親身になって対応してくれるのです。また、部門の横断的な勉強会なども多いです。私はMI関連の勉強会にも参加しており、そこで学んだプログラミング技術を自分のテーマへ活用しています。
ボトムアップ的なマインドを大切にすることも、入社してみて気づいた東ソーの風土です。研究テーマなども、若手が自ら手を上げてチャレンジできる制度があります。また、フレックスタイムなど多様な働き方をサポートする制度も整っています。私は、メリハリをつけて仕事をしたいタイプなので、研究に集中して遅くまで残業することもあれば、平日でも早めに切り上げて、部活動として熱中しているテニスの練習に行くこともあります。
「脱炭素」は、化学メーカーである東ソーが持続的な成長を果たしていくために欠かせないテーマであり、その取り組みにおいて鍵を握る技術の1つが「触媒」です。産学連携による共同研究など、これまでのアカデミアでのキャリアも活かしながら、さまざまな研究開発に携わっていきたいと考えています。




