執行役員 人事部長
Akira Takano
髙野 玲

拡大する需要に応えつつ脱炭素へ

化学業界は、多種多様な素材・製品・技術・サービスの創出を通じて人々の生活を支え、産業や社会の発展に貢献してきました。自動車、家電製品、日用雑貨、衣料、医薬品、化粧品など、あらゆる産業に不可欠な化学品のグローバル需要は堅調で、基礎化学品、機能性化学品ともに今後も順調に拡大すると予測されています。
一方で、それらの創出や生産にはエネルギーを必要とし、一定のCO₂排出が伴います。環境省の発表に基づくと2022年度の我が国のCO₂排出量のうち、産業部門が37%、その約20%を化学産業が占めています。「脱炭素」は、地球全体で取り組むべきテーマであり、化学業界も無縁ではいられません。今後も拡大するグローバル需要に応えながら、CO₂をはじめとするGHGを削減することが化学業界とって喫緊の課題となっています。

ハイブリッド経営を基本に2050カーボンニュートラルを実現

東ソーは、チェーン事業で創出されるキャッシュを経営基盤とし、先端事業によって全社利益の拡大を目指す経営を基本としています。中期経営計画において、チェーン事業では事業継続に必要な投資を行うとともに、全体の収益を高める製品の能増を進める方針としています。さらに、先端事業では積極的な設備投資により市場の成長を取りこむ方針としています。
また、並行して「脱炭素」対応を全方位で推進、持続可能な社会の実現に向けた企業責務も全うする方針を打ち出しました。具体的には、2050年カーボンニュートラルへの挑戦に向けた中間目標として、「2030年度GHG排出量を2018年度比で30%削減する」という目標を掲げています。すでに自家発電設備の燃料を石炭からバイオマスへ転換し、事業で排出されたCO₂を回収して製品の原料として再利用するなど新たな取組みも推し進めています。東ソーは、「成長」と「脱炭素」の両立を目指し、これからも社会に必要とされる会社であるべく、挑戦を続けていきます。

自律型人材を育む自由闊達な企業風土

東ソーは、1935年の創業時より様々なチャレンジを続けてきました。アジアを中心としたグローバル戦略の推進や、ハイブリッド経営への構造改革といった革新もそのひとつです。事業環境や社会ニーズの変化といったハードルに果敢に挑戦し、乗り越えることで企業として成長し、持続可能な社会の実現に貢献してきました。その意味で脱炭素という大きな課題は、新たなチャレンジであり、大きなチャンスでもあると捉えています。
そうした挑戦への原動力となるのが人材です。東ソーは「いかなる環境下でも自ら仕事や役割を創り、周りを巻き込んで結果を出す『自律型人材』」を求める人材像と定め、その育成に取り組んでいます。「自律型人材」の育成には、座学や教育研修の強化に加えて、実際の仕事の中で、さまざまな経験を積むことが重要です。当社には、様々な時代の変化を乗り越える中で育まれてきたチャレンジできる企業風土が根付いています。若い人にはまず自由にやらせてみる。失敗しても周りが一緒になって助ける。そうした自由闊達な企業風土が当社の特長であり、「自律型人材」育成のために、重要なファクターであると考えています。

成長分野のエンジンとしてキャリア人材に期待

東ソーは広くキャリア人材を求めています。持続的な企業価値の向上を実現し、ステークホルダーに信頼される企業であり続けるためには、成長事業に重点的に人員を配置し強化することが必要です。高度な専門性や多様な経験を持つキャリア人材には成長分野をけん引するエンジンとしての役割を期待しています。これまでキャリア人材の採用は研究・開発・エンジニアリング・管理部門が中心でしたが、成長と脱炭素を実現するには製造部門の技術革新や顧客をはじめとするステークホルダーとの協同が不可欠であり、今後は営業・製造部門を含めた全部門でキャリア人材の採用を拡大していきます。
東ソーの求める「自律型人材」は、表現を変えれば「自身が目指すキャリアを描き、目標に向かって周囲を巻き込みながらチャレンジする人材」です。新たなキャリアに挑戦しようというキャリア人材は「自律型人材」としての潜在力を持っていると私は考えます。東ソーには幅広いフィールドがあり、挑戦を尊ぶ風土があります。そしてキャリア教育、スタンス醸成、マネジメント役割理解といった階層別研修に加え、各種のスキルを自身で選び、習得できるような受講環境も整備しています。ぜひそのスキルと知見、経験を活かし、共に新たな価値を創造していきましょう。