1996.12.11

ニュースリリース

フィリピンにおける塩化ビニル樹脂事業の展開について

東ソーと三菱商事は、フィリピンでのPVC事業について現地パートナーとともに検討を進めてきたが、この程、FS(企業化調査)会社として94年7月に設立した「PRII」(フィリピン・レジンズ・インダストリィーズ)で工場を建設し製造・販売を行うことに合意、本日(1996年12月11日)、フィリピンのマニラにて、合弁契約書に調印した。すでにフィリピンのバターン半島のリマイ地区に土地を取得、第一期工事として98年10月に年産7万トンの設備の完工を目指す。また、第二期工事として、PVCの需給をみたうえ、数年内にさらに7万トンの増設を行う。尚、コントラクターには三菱商事.化学プラント部があたり、工事は年内にも着工する。今回の投資金額は約60億円。

 PRIIは設立以来、フィリピンにおけるPVC事業の展開を図るための検討を行ってきた。95年7月に発令された大統領令により、PVCの輸入関税が20%から10%に引き下げられたものの、需要は着実に伸びており、現在のフィリピン国内での生産量だけでは十分に需要を満たすことができていない。また、今後も年率10%を超える成長が予想されており、拡大していくPVCの需要に対応するため、今回の工場建設に至った。

 東ソーのPVC事業は、国内では南陽事業所のぺ一スト塩ビ(年産能力2万8千トン)をはじめ、本年1月に三井東圧化学、電気化学工業とともに設立した大洋塩ビ(同58万トン)、海外ではインドネシアのスタンダード・トーヨー・ポリマー(同8万6千トン)や現在建設中のサトモ・インドビル・ポリマー(同7万トン)、マレーシアのIRM(同3万トン)とアジア地域において積極的に展開している。さらに、スタンダード・トーヨ一・ポリマー及びIRMでは、それぞれ7万トンと15万トンの増設を検討しており、近い将来、東ソーが関与するPVCの生産能力は100万トンを超える規模となる。
 また、東ソーは、PVCの原料である塩化ビニルモノマー(VCM)では、年産80万トンの生産能力を有しており、時期を見てさらに20万トンの増強を行い100万トン体制を目指している。自家発電から電解(苛性ソーダと塩素)、VCM、PVCへとつながるビニル・チェーンを国際競争力を有する東ソーのコアビジネスとして、今後さらに強化し確固たるものとしていく。

PRIIの概要
本社 Philippine Resins lndustries,Inc.(PRII)
(フィリピン・レジンズ・インダストリィーズ)
資本金 38.5百万ドル
株主構成 東ソー 20%
三菱商事 20%
      Bank of The Philippine Islands(BPI) 11%(フィリピン諸島銀行)
       Mabuhay Vinyl Corporation(MVC) 49%(マブハイ・ビニル)

事業内容 PVCの製造及び販売
プラント <プロセス>東ソー技術によるサスペンション法
<生産能カ>年産7万トン(14万トン含み)
<工期>   96年12月着工98年10月完工
<立地>   フィリピン バターン半島 リマイ地区

アジア地域における東ソーのPVC製造・販売会社の概要
○スタンダード・トーヨー・ポリマー(スタトマー)
 立地    インドネシア 西ジャワ メラク地区
 設立    75年5月
 能力    8万6千トン(さらに7万トンの増設を検討中)
 株主構成 東ソー30%、三井物産20%、現地資本(サリムグループ)50%

○サトモ・インドビル・ポリマー
 立地    インドネシア 西ジャワ ボジョネガラ地区
 設立    96年1月
 能力    7万トン(現在建設中、98年3月完工予定)
 株主構成 東ソー25%、住友商事25%、現地資本(サリムグループ)50%

○IRM(インダストリアル・レジンズ・マレーシア)
 立地    マレーシア
 設立    88年9月
 能力    3万トン(さらに15万トンの増設を検討中)
 株主構成 東ソー10%、三井物産25%、現地資本(ランド&ゼネラル)65%