基本的な考え方
東ソーは「教育は経営が期待する人材を育成し、かつその過程において従業員の自己実現に寄与するものである」という教育理念の下、豊かな人格と資質の向上、思考能力の開発、安全・安定運転に関する知識・技能の習得を目的に、各種の教育・研修制度を体系的に整えています。
また、環境変化の激しい現代において、その変化に対応するためには、従業員自身が今後どうありたいのかを考えていくことが必要になります。従業員の自律的な成長は東ソーの成長にもつながると考え、自ら考え行動できる自律型人材を育成するために、人材育成の基本方針の新たな策定および教育体系の見直しを行いました。
人材育成の基本方針
体制・責任者
人事担当役員を責任者として、教育体系および基本方針の策定・実行を行っています。
教育研修会議は、人事部門長および専門性の強い教育の実施にあたる専門部署の部門長からなり、全社における教育内容の統括・推進・評価を行っています。また、各事業所が実施した教育内容を報告・協議し、その結果を踏まえ今後の教育内容に反映するためのPDCAを回しています。
各事業所では、教育研修会議をもとに年1回の事業所教育研修委員会を実施し、事業所の教育研修の統括・推進・評価を行っています。各部門責任者および管理者は、自部門の教育計画の立案・実施、教育状況の把握・チェックを行い、個人の資質を向上するとともにもてる知識・技術を業務に活用するようにしています。
教育体系
2021年度に見直した新教育体系では「キャリア研修」をベースとし、「基本教育(制度・法律等)」「自己啓発によるスキルの習得」「業務経験・機会による学び」「グローバル人材育成」の4つの項目を持続的に学ぶことで「自律型人材」を目指します。
階層別研修
2020年度の新入社員研修は、新型コロナウイルス感染拡大を防止する観点から、講義やグループワークなどをすべてオンラインにて実施しました。また、階層別研修は一部の研修は実施を見送り、集合研修を行わず、課題レポートの提出や講義資料の配布で代替しました。
2020年度の階層別研修実績
研修名 | 1人あたりの 研修時間 | 受講者数 | 研修目的 | 主な研修内容 |
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新入社員研修 | 278時間 | 120人 | 仕事のスタンスを固める | 会社全体概要、事業所概要、事業部概要、R&D、CSR、コンプライアンス、環境保安・品質保証、人事制度、グループ会社概要、プラント見学、社内各部役割、人権教育、ビジネスコミュニケーション、チームワーク、セルフコントロール、ビジネス知力、マネジメントゲーム、仕事のスタンス |
初級指導職研修 | 12時間 | 77人 | 社会人の基礎力定着 | 初級指導職としての役割理解、コンプライアンス、CSR、人権教育、問題解決力向上 |
初任幹部職研修 | 5時間 | 55人 | 次世代経営者としての経営マネジメントなどの習得 | 初任幹部職としての役割理解、コンプライアンス、CSR、人権教育、人事制度、マネジメント |
中堅幹部職研修 | 5時間 | 49人 | 中堅幹部職としての役割理解、コンプライアンス、マネジメント | |
上級幹部職研修 | 5時間 | 43人 | 経営力向上、コンプライアンス、内部統制、マネジメント |
技術分野別教育
化学プラントで安全に働くために必要な基礎知識・スキルの習得や実習による危険予知の感性を向上させることで、安全・安定運転のために自ら考え行動できる従業員を育成しています。
なお、製造・設備管理部門に所属する一般職は、技術力の底上げを目的として、各職分への昇格に必要な教育講座の受講および資格の取得を設定しています。
一般職技術研修
項目 | 研修内容 |
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導入技術研修 |
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フォローアップ 技術教育 (入社6〜10カ月後) |
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2年目以降 |
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ポンプの教育用カットモデル
挟まれ実習体験
教育体系図
- 若手キャリア研修以降の階層別研修後にはキャリアカウンセリング受講可能とする
自律的学びの支援
東ソーでは、業務上必要な基礎知識および一般教養・スキルの修得を目的として通信教育制度を整備し、従業員の自律的な学びを支援しています。自身の業務に関係なく受講することができ、修了者には受講料の50~80%相当を補助しています。
育児休業中に受講した場合は全額会社負担としており、休業中の自己啓発や職場復帰前の準備期間に活用されています。
通信教育の受講者数(東ソー単体)
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | |
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受講者数 | 240人 | 185人 | 260人 |
- グループ会社への出向者を含む。
資格・技能検定の取得奨励
従業員が各種資格および免許を取得するための受験および受講を支援しています。
東ソーが指定する資格・免許を取得した従業員は、社内報によって周知され、難易度によって5つの区分に分けた報奨金を給付しています。
資格報奨金の給付件数(東ソー単体)
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | |
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給付件数 | 374件 | 871件 | 625件 |
- グループ会社への出向者を含む。
グローバル人材育成
事業のグローバル化に必要な人材の育成強化を図っています。
社内TOEIC®試験や自己啓発としてのオンライン語学研修、通信教育講座を行い、英語、中国語、韓国語の学習をサポートしています。
また、語学力とビジネススキルの向上を目的とした海外留学制度を設けています。2020年度は、2019年度に引き続き新型コロナウイルスの影響により海外留学は中止としました。