RC活動

安全・安定操業と労働安全衛生

東ソーでは無事故・無休業災害を目指して、安全改革活動を柱としたさまざまな安全活動を継続して展開しています。

2017年度は残念ながら2件の事故と8件(9人)の休業災害が発生しました。

産業保安に関する行動計画

石油化学工業協会では、会員企業が実施すべきガイドラインとして「産業保安に関する行動計画」を2013年7月に制定しました。

東ソーでは、ガイドラインを踏まえて、安全確保への取り組みを実施しています。

安全確保に向けた取り組み

社長による計器室訪問

写真:社長による計器室訪問社長による計器室訪問

2012年度から毎年、社長が南陽および四日市事業所の製造現場に足を運び、安全に対する考えを従業員と共有するとともに、現場の声を直接聞いています。こうした現場との対話は、排水処理設備の強化や遊休設備の撤去、予防保全の強化など、必要な改善に対する迅速な経営判断にもつながっています。

2012~2017年の6年間で延べ197カ所の計器室や事務所を訪問し、4,500人以上の従業員と対話しました。

教育・訓練の充実

外部講師を招いたKYT※1講習の開催、安全・安定運転に関する知識・技能の習得のための技術教育講座の開講や危険体感設備やシミュレーターの活用など、教育・訓練の充実を図りました。

また、熟練運転員を現場教育の指導者として活用する仕組みも整備しました。

  • ※1 危険予知訓練。職場や作業にひそむ危険要因とそれが引き起こす現象を行動する前に小集団で話し合い、危険のポイントや重点実施項目を認識する訓練。

防災訓練

南陽事業所では、総合防災訓練(周南市消防本部、山口県消防保安課参加)を実施しました。本社も南陽事業所と連携のうえ、総合防災訓練を実施しています。

四日市事業所では、南海トラフ地震と津波を想定した総合防災訓練を実施し、その他にも油流出オイルフェンス展張訓練を2回実施しました。

また、各研究所でも総合防災訓練を実施し、不測の事態に備えています。

地震・津波対策の推進

高圧ガス貯槽の耐震化対応について、2020年度の耐震対応完了を目標に進めています。

高圧ガス貯槽の耐震補強計画に従い、対象となる貯槽のうち南陽事業所では、2基の基礎について、四日市事業所では、2基の基礎および3基の本体について耐震補強工事を完了しました。

また、従業員が常駐する計器室や事務所など、地震・津波の際に避難場所となる重要建築物の耐震補強対応を順次実施しています。南陽事業所では、設備管理棟および災害時に防災本部と行政との現地連絡室を設置する本館について、高耐震性の建て替え工事を完了しました。他事業所、研究所でも既に対応を完了しています。

また、有事の際の人命確保を最優先させるため、緊急時連絡体制の整備、避難経路や防災備品の確保を推進しています。

高圧ガス認定の取得

南陽事業所では、2017年12月に「認定保安検査実施者」の認定を再取得するとともに「認定完成検査実施者」の認定を取得しました。

なお、四日市事業所では、2016年11月に同認定を更新しています。

リスクコミュニケーション活動

事故発生時の社内外の連絡、通報および広報体制を強化するとともに、地域とのリスクコミュニケーション活動として、有事の際の対応や注意点などを製品ごとにまとめた小冊子を作成しています。関係行政や地域住民に配布し、対話の場でも活用しています。また、2016年からは、さらなるリスクコミニュケーションの推進を目的として、メディアトレーニング(模擬記者会見)を実施しています。

事故事例研究

発生した事故・トラブルの再発防止には、原理原則に基づいて原因究明を行い、その場しのぎではない対策を立案、実行していくことが大切です。

東ソーでは、問題の根本原因を探るために、ある事象が「なぜ」そうなったのかを繰り返し問うことで掘り下げる「なぜなぜ分析」などの手法を活用し、事故事例の詳細解析および事故事例研究を行っています。また、事故事例を一元管理する全社「事故・労災情報データベース」の運用により、事故・労災情報を共有するとともに、事例活用をしています。

IoTの活用推進

プラント設備の最適な整備時期の把握など保安確保のために、IoTの活用を積極的に進めています。

一例として、スマートバルブと呼ばれる診断機能がついた調整弁と、デジタル通信により結ばれた監視用パソコンを連携させることで、バルブの異常徴候を素早く検知できるようになりました。得られた情報を解析し、最適な整備時期の診断に活用しています。また、運転技術の伝承、異常への早期対応を目的として、運転支援システムや異常予知システムなどの導入も進めています。

事故の風化防止

2011年11月の第二塩化ビニルモノマー製造施設爆発火災事故を風化させないために、南陽事業所で安全モニュメントの設置や事故関連資料の保存・展示を行っています。また、毎年11月13日を全社「安全の日」に定め、各事業所で有識者による安全講話や安全活動発表会を開催しています。

予防保全の強化

設備保全に関して、2014年度から2018年度の5年間で約160億円を投資し、事後保全から予防保全の対象範囲の拡大へと転換および強化を進めました。

予防保全の取り組みとして、2017年度は配管の表面に問題がないことを確認する外面腐食検査を試行しました。

労働安全衛生

労働災害に至るような不安全な状態、不安全な行動をなくすために「安全の基本動作の徹底」「know-why※2教育の推進」「非定常時および変更時のリスクアセスメントの実施」「類似事故・類似労災の撲滅への取り組み」「事業所内請負作業の安全確保」の5つを柱とした安全活動を展開しています。

2017年度は、さまざまな安全活動に取り組みましたが、休業災害8件(9人)が発生しました。原因の多くはKY(危険予知)不足によるものであり、引き続き、安全の基本動作の徹底などを通じた、危険感受性の向上が必要と認識しています。

  • ※2 プラントの条件や操作に関する技術的な背景を知ること。

2017年度の実績

労働災害発生人数(休業災害)

グラフ:労働災害発生人数(休業災害)

労働災害度数率

グラフ:労働災害度数率

度数率=(死傷者数/延べ労働時間数)×1,000,000

労働災害強度率

グラフ:労働災害強度率

強度率=(労働損失日数/延べ労働時間数)×1,000

5S※3/KYT活動

写真:5S活動改善(書類管理)事例5S活動改善(書類管理)事例

南陽事業所をはじめとして、事業所、研究所が一丸となって5S活動に取り組んでいます。事業所内を常に「整理・整頓・清掃」された状態に保つことで、プラントや設備の変調にも気付きやすくなります。また、維持管理のガイドラインの作成や、相互パトロールの実施により、5Sを継続する工夫も行っています。

KYT活動については、南陽事業所では、外部講師を招いて従業員全員がKYT講習を受講し、日頃からKYTを習慣化する仕組みをつくっています。取り組みを開始する前の2012年度に比べて、2015年度以降は従業員の労働災害が半減するなど、成果が着実に現れています。

四日市事業所や各研究所でも、南陽事業所の取り組みを参考にしながら、KYT活動を強化しています。

  • ※3 整理・整頓・清掃・清潔・躾を行うことで、職場環境を維持改善する活動。

RC委員長5Sパトロール

写真:5Sパトロール5Sパトロール

安全活動を活性化させるためには、経営陣が現場の安全活動の優れたところや、改善すべき課題について評価することが重要です。そこで、RC委員会委員長である環境保安・品質保証部担当役員による5Sパトロールを行っています。

2017年度は、5S活動優良表彰対象職場(南陽事業所3職場、四日市事業所2職場、東京研究センター1職場、ウレタン研究所1職場)に対して5Sパトロールを行い、その場で表彰状を授与しました。こうした取り組みは、各職場における5S活動へのモチベーション向上にもつながっています。

グループ全体での取り組み

写真:安環ネット会議安環ネット会議

グループ全体での保安防災・労働安全衛生の強化を目的に、情報共有のシステムとして「東ソーグループ安環ネット」を構築し、法改正、事故・労災などの情報を共有しています。また情報交換や交流を目的に、グループ会社の安全衛生管理担当者約50人が一堂に会する「安環ネット会議」を行っています。2017年度は2回開催し、会議に合わせて外部講師による労働安全衛生教育も実施しました。

さらに、グループ会社を訪問し、現場確認や意見交換などを行う「安全環境交流会」を行っています。

事業所内請負作業の安全確保(東ソー物流株式会社)

事業所での協力会社の労働災害撲滅の一環として、包装・充填などの構内請負作業に関して、リスクアセスメントを行い、リスク低減対策を推進しています。

2016年に回転機器に巻き込まれた切創労災が発生したことから、2017年度は類似の可能性のある作業場の実態調査を行い、安全確保上の対策を順次実施しています。これらのハード面、ソフト面の対策により、類似災害の発生防止に努めています。