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経営の中核にCSRを位置付け持続可能な社会の実現に貢献する取り組みを全社一体で進めてまいります。/代表取締役社長 社長執行役員 山本寿宣

経営の中核にCSRを位置付け持続可能な社会の実現に貢献する取り組みを全社一体で進めてまいります。/代表取締役社長 社長執行役員 山本寿宣

東ソーグループの目指すCSRとは

2017年度は、原燃料価格の上昇に伴う石油化学製品の価格上昇や海外製品市況の上昇など、当社グループにとって総じて良好な事業環境が続きました。この結果、グループ連結売上高・営業利益・当期純利益はいずれも過去最高を更新することができました。2016年度から推進中の中期経営計画に関しても、コモディティとスペシャリティの「ハイブリッド経営の深化」「財務基盤の維持・強化」「安全改革の推進」という3つの基本方針に沿った施策の実行により、順調に進捗していると捉えています。

ここ数年で当社事業の収益性は着実に高まっています。ただし当社が目指す「企業価値の向上」とは、単なる高収益企業になることではなく、株主・投資家やお客さま、取引先、地域社会などさまざまなステークホルダーから「信頼される企業」になることである、と私は考えています。『化学の革新を通して、幸せを実現し、社会に貢献する』という企業理念に示されるように、当社グループはCSR(企業の社会的責任)を経営の中核に位置付けています。社会のニーズに合わせて技術を磨き、これまでにない新しい価値をもつ製品・サービスを創造して社会に提供していくこと、それこそが、当社にとっての最大の社会的責任であると考えています。

図:2016~2018年度 中期経営計画

図:2016~2018年度 中期経営計画

CSR重要課題(マテリアリティ)設定と推進体制の強化

CSR活動をグループ全体の取り組みとして、より包括的、体系的に進めていくために、いくつかの新たな施策を実施しました。その第一は、従来の「経営基本方針」を「東ソーグループCSR基本方針」に置き換えたことです。このねらいはCSRを経営方針の最上位に置くことで、企業として目指す方向性を社内・社外に明確に示すことにありました。「東ソーグループCSR基本方針」の策定にあたっては、理念体系を再整理するとともに、企業理念の具体化と社会課題への対応をわかりやすく開示するよう努めました。次に、「社会からの要請」と当社グループの「持続可能な成長」という2軸のマトリックスに基づき、18のCSR重要課題(マテリアリティ)を設定しました。「社会からの要請」に関しては、2015年に国連が採択した「SDGs(持続可能な開発目標)」も踏まえています。

また全社的なCSR推進体制も強化しました。私を委員長とする全社横断的な組織「CSR委員会」を立ち上げ、事業活動のPDCAを実行していきます。さらに、各部門・事業所のCSR担当を中心に日常的なコミュニケーションや定期的な会合を通して情報の共有を図り、すべての従業員がCSRを「自分の課題」として認識することで、活動の実効性を高めていく考えです。

2015年に国連で採択された「SDGs(持続可能な開発目標)」は、2030年までの国際開発目標であり、すべての国に適用される普遍的な目標です。持続可能で多様性と包摂性のある世界を実現するための17のゴールと169のターゲットで構成され、地球上の誰一人として取り残さないことを誓っています。
日本でも政府のみならず、民間企業や各種団体の取り組みが活発化しています。

アイコン:SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS/世界を変えるための17の目標

「世界一安全な化学メーカー」を目指して

中期経営計画の基本方針でもある「安全改革」については、2014年から3年間で約100億円を投じた「健全化工事」を行いました。今後も安全対策費を投じて「予防保全」の観点からトラブル撲滅に向けた安全対策に、引き続き注力していきます。

これまでの「健全化工事」の成果として、プロセス起因での異常現象は減少しています。また、2016年度の四日市事業所における高圧ガス認定の更新に続いて、2017年12月には5年間にわたる地道な努力の積み重ねによって、2011年の爆発火災事故により取り消された南陽事業所の「認定保安検査実施者」の認定を再取得することができました。

もちろん認定の更新や再取得はゴールではありません。今後もIoTやAIをはじめとするデジタル技術の導入によって重大トラブルを未然に防止できる運転支援システムを構築するなど、関係部門全員の技術力と知恵を結集して「世界一安全な化学メーカー」を目指して取り組みをより深化させていく考えです。

CO2の「排出削減」から「有効利用」へ

化学メーカーと「環境」との関わりは深く、当社もこれまで数十年にわたって公害対策をはじめ、省エネルギー化、廃棄物削減など、さまざまな領域で環境対策に取り組んできました。

現在の当社にとって最も重要な課題は「CO2の排出削減」です。化学製品の生産に必要とされる大量の電力を低コストで確保するため、当社は大規模な自家発電設備(火力)を稼働させていますが、これに伴って排出されるCO2をいかに削減するかが、中長期的な成長に向けて非常に重要であると捉えています。

この課題の解決に向けた新組織として従来の「エネルギー管理委員会」とは別に、2018年6月に「CO2削減・有効利用推進委員会」を立ち上げました。今後はCO2排出量の削減はもちろん、より積極的に「排出したCO2を有効利用していく」ための研究開発にも全社を挙げて取り組んでいきます。これには技術面だけでなく、コスト面でも高いハードルが立ちはだかっていますが、それを乗り越えていくことが化学メーカーとしての使命でもあると考えています。

社会に開かれた、健全な組織風土の醸成

写真:代表取締役社長 社長執行役員 山本寿宣

ガバナンスの面での課題は「コンプライアンスの徹底」であると捉えています。法令遵守は企業存続の必須条件であり、特に2017年度は大手製造業においてさまざまな不祥事が相次いだこともあり、私たち企業に向けられる社会の目は、ますます厳しくなっています。すべてのステークホルダーの信頼に応え、社会に必要な存在として成長し続けていくためには、法令や社内規範の遵守はもとより、社会の一員としての倫理観や、誠実な行動が重要です。そこで私は、従業員に自らの行動を「原点に帰ってもう一度見返す」よう呼びかけています。たとえ今まで習慣的に行われてきた行為や制度であっても、客観的に見たときに少しでも「おかしい」「理屈に合わない」と感じたらそれを変える決断ができる、風通しの良い組織風土を醸成すべく、今後も率先垂範を心がけていこうと思います。

CSR活動の推進には仕組みや制度づくりも大切ですが、そこに「魂」が入っていなければ何の意味もありません。旗振り役として、すべての従業員に繰り返しCSRの意識付けを行っていくことが、私の大きな役割だと認識しています。

最後に、ステークホルダーの皆さまには、本レポートを通して、私たち東ソーという会社をさまざまな角度からご評価いただきたいと思っております。そして、当社に対して忌憚のないご意見・ご要望をお寄せいただけましたら幸いです。