TCFD提言に基づく情報開示
東ソーは、2019年11月、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD※1)提言への賛同を表明しました。今後、提言に沿い、グループの取り組みに関する情報開示を進めていきます。
- 企業の気候関連リスク、機会を理解するうえで有用な情報開示の枠組みを策定することを目的に、金融安定理事会により設置された組織。2017年6月に、情報開示の推奨項目に関わる提言を公表。
東ソーは、2019年11月、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD※1)提言への賛同を表明しました。今後、提言に沿い、グループの取り組みに関する情報開示を進めていきます。
東ソーグループは、事業活動を通じて、気候関連問題を含むさまざまな社会課題の解決に貢献することが、グループの持続的成長に重要であると認識し、CSRを経営の中核に位置付けた事業活動を推進しています。
CSR委員会は、東ソーグループのCSR活動に係る重要事項を審議する機関として、代表取締役社長がCSR委員会の委員長を務めています。CSR委員会の決議事項は取締役会に報告され、取締役会による承認、指示を受けます。またGHG排出削減に関する具体的な方針・戦略立案は、CO₂削減・有効利用推進委員会で進めています。
CO₂削減・有効利用推進委員会では、エネルギー起源CO₂の排出削減および化学品原料としての有効活用に関わる戦略立案、課題整理、方針策定、調査・解析および進捗管理などを推進しています。
東ソーは、化学製品の生産に必要な電力を安価かつ安定的に確保するため、高効率のコジェネ自家火力発電設備を有しています。今後、炭素税や排出権取引制度が導入されると、新たな費用負担が発生します。例えば、炭素価格100$/t-CO₂が適用され、10万トン-CO₂相当の排出権を購入する場合、約10億円の費用負担となります。
機会の獲得として、既存製品の環境貢献評価の検討を開始しており、環境負荷低減製品・サービスの市場拡大に対応し拡販を図っていきます。研究開発では、環境・エネルギーを重点分野に設定し、気候変動に関連する市場ニーズや社会課題に応える製品・サービスの創出を進めています。
リスク | 機会 | |||
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中期(~2030) | 長期(~2030) | 中期(~2030) | 長期(~2030) | |
政策・法規制 | 炭素価格(炭素税、排出権取引)コスト増加 |
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技術 | 混焼技術の導入 (水素・アンモニア・ バイオマス・廃プラ) | 再生可能エネルギー の導入 | ||
市場・評判 | 原材料・エネルギー(供給・価格) 消費志向・ステークホルダー | |||
気象 | 異常気象 (風災害、大雨、渇水) | 慢性的な被害 (気温上昇・海面上昇) |
気候関連問題が及ぼす可能性のあるリスクは、社会動向や日本政府の協議・議論の状況などの情報を活用して、CSR委員会を通じて、所管部門ごとに評価しています。事業運営に関わるリスクを管理する各部門は、部門に関わるリスクの特定と起こりうる可能性がある財務的影響を評価し、社長に報告しています。日常の各事業活動におけるリスク管理は担当取締役の下で自立的運営を行い、必要に応じて取締役会に諮り承諾、指示を受けています。また、設備投資計画の策定の際に内部炭素価格を採用しており、採算だけでなく環境影響度も含めて検討しています。
気候関連のリスクはCSR重要課題にも挙げられており、その進捗状況はCSR委員会から取締役会に報告し、PDCA管理を行っています。
エネルギー源CO₂排出削減目標:
2025年度におけるBAU排出量(2013年度基準)6%削減
スコープ1 | スコープ2 | スコープ3 |
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7,628 | 402 | 6,638 |
現在の目標は、2019年3月の取締役会承認により制定し、省エネルギー投資およびプロセス改善投資等を進めた結果、前倒しで達成見込み(2023年度)となっています。2050年カーボンニュートラルに向けた政府の新たなNDC※2表明も考慮し、2030年度を見据えた新たな目標および方策について検討を行うこととしています。