気候変動への対応

気候変動は世界で最も関心が高い課題のひとつです。東ソーグループはCO2を主とする温室効果ガス(Green House Gas、以下GHG)排出量削減が中長期的な成長における最重要課題と認識し、効率化や技術改善を推進しています。

推進体制

CO2削減・有効利用推進委員会

自家火力発電設備の稼働に伴って排出されるCO2の削減および有効利用を目指し、対応すべき課題の整理・方針、進捗管理などを協議する機関として、2018年6月に設置しました。CO2の削減と有効利用に関して全社的な検討を進めています。

中央エネルギー管理委員会

GHG削減対策として、生産および輸送にかかるエネルギー原単位の改善を含めた総合的なエネルギーの節減と、エネルギー源の代替推進を目的として取り組んでいます。具体的には、エネルギー管理に関する取り組み方針、中期計画および年度計画、遵守状況およびその評価手法、エネルギー管理に関する事項などを協議、決定しています。

目標と2017年度の実績

東ソーは、国のGHG削減対策の下、日本化学工業協会の低炭素社会実行計画に参画し、エネルギー起源CO2排出量を2030年度にBAU排出量※1から3%削減する目標を立て、実行しています。

  • ※1 BAU(Business As Usual)排出量=生産量×基準年(日化協2005年度)のCO2原単位

エネルギー使用量・エネルギー原単位指数

2017年度のエネルギー原単位指数は、2009年度比で97.0%でしたが、2016年度比では0.6ポイント後退しました。これは南陽事業所において、定期修理日数の増加および設備稼働状況が影響しました。

エネルギー使用量とエネルギー原単位指数

グラフ:エネルギー使用量とエネルギー原単位指数

エネルギー使用量(原油換算kl)、エネルギー原単位指数(2009年度比)は、「エネルギー使用の合理化に関する法律」に基づく算定方法を、採用しています。
(2014年9月以前は旧日本ポリウレタン工業合併分を含みません。)

GHG排出量

2017年度のGHG(エネルギー起源CO2)の排出量は、エネルギー使用量の増加により、2016年度より増加しました。

GHG排出量

グラフ:GHG排出量

エネルギー起源のCO2排出量は「温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度」の算定方法によります。
(2009年4月~2014年9月までの旧日本ポリウレタン工業としての排出分を合算しています。)

スコープ別温室ガス排出量(東ソーグループ)

東ソーグループのサプライチェーン全体におけるGHG排出量を把握するため、スコープ別に排出量を算定しています。

スコープ1
7,710千トン
スコープ2
438千トン
スコープ3
6,550千トン
  • スコープ1:自社による燃料燃焼、プラント稼働に伴う直接排出
  • スコープ2:他社から供給された電気、熱などに伴う間接排出
  • スコープ3:その他の間接排出(原燃料の採掘・輸送、製品の輸送・使用・廃棄、従業員の通勤・出張などに伴う排出)

物流CO2排出量・エネルギー原単位

2017年度の物流CO2排出量は、製品の出荷増に伴い2016年度比1.6%増加しました。

物流エネルギー原単位※2は19.1となり、2016年度から0.3ポイント後退しました。これは、トラックによる輸送比率(輸送トンキロベース)が増加したことが要因です。

今後も、モーダルシフトの推進、船舶の省エネ運行などによる排出削減に努めていきます。

  • ※2 物流エネルギー原単位=原油換算消費量(kl)÷輸送トンキロ(百万トンキロ)

物流CO2排出量とエネルギー原単位

グラフ:物流CO2排出量とエネルギー原単位

2014年9月以前は旧日本ポリウレタン工業合併分を含みません。

省エネルギー技術のライセンス供与によるCO2削減

東ソーでは、苛性ソーダ、塩化ビニルモノマー(VCM)製造工程の省エネルギー技術を開発し、培った技術を海外にライセンス供与しています。こうした技術が活用されることで、現地の製造プラントからのCO2排出削減に貢献しています。

苛性ソーダの新型電解槽

写真:苛性ソーダの新型電解槽

苛性ソーダは、イオン交換膜(IM)法を使って原料を電気分解して製造されています。

東ソーは、IM法食塩電解の国内最大手として、1995年に省エネルギー型電解槽を共同開発し、以降も継続して技術改善を進めています。東ソーはこうして培った技術を国内外の企業にライセンス供与し、供与先の省エネルギーに貢献しています。

ライセンス供与先は国内外36カ国にわたり、省エネルギーによるCO2削減効果は、約990万トン※3(2017年度)にのぼります。

  • ※3 ライセンス供与先の推定生産量に対し、水銀法、隔膜法から東ソーのIM法食塩電解技術への転換による省電力量から推算

VCMの熱回収装置

塩ビ樹脂の原料であるVCMは、二塩化エチレン(EDC)の熱分解により生成します。この熱分解を行う分解炉では大量の熱が放出されますが、東ソーはこの熱を回収し、分解炉を昇温する熱源の一部とすることで、燃料使用量の削減を図っています。

この技術は海外3カ国の企業にライセンス供与しており、CO2削減効果は約3万6千トン※4(2017年度)になります。

  • ※4 ライセンス供与時の生産能力に対し、当該技術導入前後のエネルギー回収量から推算

各部門におけるCO2削減

セメントプラントにおける廃棄物の有効利用

写真:セメントプラントにおける廃棄物の有効利用

南陽事業所のセメントプラントは、社内外の廃棄物などをセメント原料や熱エネルギー源として有効活用しています。このうち、熱エネルギー源としては、プラスチック廃棄物、ASR(自動車破砕残さ)、SR(廃家電等破砕残さ)を合わせて1万9千トン受け入れ処理し、化石燃料から排出されるCO2を約3万6千トン(2017年度)削減しました。

日々の生産活動における取り組み

事業所では、エネルギー効率化や省エネルギーへの取り組みを通じて、製造段階でのCO2削減に努めています。

2017年度は、南陽および四日市事業所での省エネルギー型電解槽へのリニューアルや、各プラントの運転条件見直しを進めました。また四日市事業所ではナフサ分解炉効率化の設備投資を実施しています。

TOPICS

自己消費分苛性ソーダ濃度見直しによる省エネルギー

東ソーで生産する苛性ソーダは、お客さまに販売するだけでなく、自社製品の原料としても多く使用しています。

南陽事業所では、濃度の低い苛性ソーダの使用を推進しています。苛性ソーダは生産時に濃縮する必要がありますが、社内用の苛性ソーダには過度な濃度調整を行わないことで、濃縮に要するエネルギーの削減に努めています。

この取り組みにより、2017年度は3千トンのCO2を削減しました。