快適+安全=安心!100点空間の提供へ挑戦

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きっかけはお客様の声「アセトアルデヒドの揮発量を減らしたい…。」

自動車内装メーカーとの会議では常に議題となるテーマでした。自動車メーカー各社は、車室内環境の指標として定められたホルムアルデヒドや、トルエンを始めとする13種類のVOC(Volatile Organic Compound=揮発性有機化合物)※)を低減するため、自主的な取り組みを行っていました。そのような中で自動車業界は、中国の車室内VOC規格が推奨国家標準(GB/T)から強制国家標準(罰則有り)に引き上げられるとアナウンスを受け、対応を迫られました。なかでも、アセトアルデヒドは、ホルムアルデヒドに比べて反応性が低いため低減が困難であり、解決可能な技術、材料が求められました。

アセトアルデヒドは、ホルムアルデヒド(HCHO)の水素(H)一つがメチル基(CH₃)に置き換わった低沸点(約20℃)の有害物質であり、生活環境中にも存在します。例えば、生体内ではアルコールが代謝されることで作られ、二日酔いの原因となります。また、タバコの焦げ臭など、物が燃焼する際の臭気原因にも挙げられ、悪臭防止法においては「特定悪臭物質」として規定されています。

  • シックハウス(室内空気汚染)問題において厚生労働省が室内濃度指針値を定めた13物質

名称 ホルムアルデヒド アセトアルデヒド
構造
ホルムアルデヒド 構造
アセトアルデヒド 構造
課題 低沸点 -20℃ 20℃
有害性
  • シックハウス要因
  • シックハウス要因
  • 悪臭

アルデヒド捕捉剤 エミデリート®の開発 -アセトアルデヒドを高速で捕捉

相模中央化学研究所と連携して具体的な材料構想を練り、アセトアルデヒドと反応することで別の化学物質に変化させる「エミデリート®」を開発しました。
エミデリートの大きな特長として、

①アルデヒド類との反応が極めて速い点
②アミノ酸構造を有し、人体への有害性が低い点

が挙げられます。

図1. エミデリートのアセトアルデヒド除去速度
図1. エミデリートのアセトアルデヒド除去速度
項目 安全性 確認方法
皮膚への影響 小さい ・パッチテスト
・皮膚刺激性
・皮膚感作性試験
その他 毒性なし ・急性経口毒性試験

新たなニーズの発掘 –消臭分野への展開-

アルデヒド類は、特異な臭いを有する物質が多く、アセトアルデヒドの他、油の臭いの原因である「アクロレイン」、バニラの香りの主成分である「バニリン」、加齢臭の「ノネナール」を始め、日常生活のあらゆる場所に存在しています。また、悪臭防止法における「特定悪臭物質」22種類の内、約3割(6種類)がアルデヒド類に分類されています。

アルデヒド類は物質により分子サイズが異なり、分子サイズが大きくなるほど捕捉困難になりますが、エミデリートは分子サイズに関わらずアルデヒドを捕捉できます。

図2. エミデリートのアセトアルデヒド除去速度
図2. エミデリートのアセトアルデヒド除去速度

実際に臭いと感じる現場では、複数の臭気原因物質が混ざり合って不快な臭いの元となっています(これを複合臭といいます)。複合臭を抑えるためには、それら全ての物質を低減させることが求められるため、アミン臭(生魚臭など)を同時に捕捉できるエミデリート® A300、有機酸(汗臭など)を同時に捕捉できるエミデリート® A700等、様々なグレードを展開しています。

日本よりも臭いに対してシビアな中国市場への挑戦!!

実は臭いに対して最も厳しいのが中国です。例えば、“新車独特の臭い”は欧米では問題になりませんが、中国では不快な臭いとされています。米調査会社J.D.powerの初期品質調査(IQS)によると、中国人は購入新車に対する不満項目として常に“車内の不快な臭い”を上位に挙げており、今後、臭気対策への関心がますます高まると予想されます。東ソーは自動車内だけでなく、一般向け、産業向けの臭気対策にも有効な材料開発に今後も取り組んでいきます。

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研究・技術報告

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