1996.11.27

ニュースリリース

ジルコニア粉末の生産能力増強について

東ソーは、南陽事業所において、ジルコニア粉末の製造設備の増強を進めてきたが、このたび完工、年産370トンの生産体制を確立した。
 ジルコニアはセラミックスのひとつで、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素と合わせ、4大ファインセラミックスと言われている。中でも、ジルコニアは他のセラミックスと比べ、強度や耐衝撃性に優れた特長を有しており、光通信用コネクタの重要な部品であるフェルールをはじめ、電子材料などの粉末を粉砕・分散するためのボール等、特に情報通信分野で幅広く使用されている。

 ジルコニアの需要は94年頃より急激に立ち上がり、年率およそ30%の成長を遂げ、本年には世界で500トンを超える市場規模になると予測されている。また、今後も情報通信分野を中心に年率2ケタの成長が見込まれている。 東ソーは、世界最大のジルコニア粉末の製造会社で、本年春には生産能力を年産200トンから年産270トンヘと増強、さらに旺盛な需要に対応していくため、今回の増強に至った。

 東ソーは、ジルコニアをはじめ、半導体製造用の石英ガラス、薄膜形成材料のスパッタリングターゲット、電池材料の電解二酸化マンガン、記録媒体であるMOディスクなどの「電子・情報通信分野」をスペシャリティー事業の一環としてグローバルに展開、既にこの分野で東ソーグループとして年間500億円に迫る売り上げをあげている。今後もファイン・ケミカル分野、機能材料分野、バイオサイエンス分野とともに電子・情報通信分野をいっそう強化しながら、ファイン・スペシャリティー事業をビニル・チェーンや石化事業に続く第3の経営の柱として育成していく。