保安防災に向けた取り組み

東ソーでは無事故・無休業災害を目指して、安全改革活動を柱としたさまざまな安全活動を継続して展開してきました。2016年度は残念ながら2件の異常現象と6件の休業災害が発生しましたが、安全活動の成果が現われ始めています。

産業事故の撲滅に向けて

産業事故防止に向けた業界団体の取り組みとして、石油化学工業協会では「産業保安に関する行動計画」を2013年7月に制定し、会員企業が実施すべきガイドラインが示されました。東ソーでは発生した事故・災害を受け、ガイドラインに示された5つの項目を踏まえて、安全確保への取り組みを実施しています。

  1. 1.企業経営者の産業保安に対するコミットメント
  2. 2.産業保安に関する目標設定
  3. 3.産業保安のための施策の実施計画の策定
  4. 4.目標の達成状況や施策の実施状況についての調査および評価
  5. 5.自主保安活動の促進に向けた取り組み

1. 企業経営者の産業保安に対するコミットメント

社長によるコミットメントとして「環境・安全・健康基本理念」を発信しています。

さらに、幹部職への訓示、工場計器室訪問によるオペレーターとの直接対話などを通して、産業保安に対するメッセージを発信しています。

2. 産業保安に関する目標設定

2017年度目標 事故件数0件 休業災害件数0件

*事故:石油コンビナート等災害防止法上の異常現象およびそれに準じる事故(コンビナート地区以外)としています。

3. 産業保安のための施策の実施計画の策定

RC活動としての施策と具体的活動

  1. 1安全の基本動作の徹底
  • 事業所幹部自らが率先垂範する基本ルール(挨拶、規則遵守、5S、指差呼称、報・連・相など)遵守の徹底
  • 危険への感性を高めるKYT(危険予知訓練)活動の積極推進
  • 5S活動の強化
  1. 2教育の強化・充実による人材育成の推進
  • 運転技術の伝承に関するknow-whyを含めたマニュアルなどの整備の推進、および教育の実施
  1. 3非定常時および変更時のリスクアセスメントの推進
  • 「What-If-Study」手法の運用開始
  1. 4類似事故・労働災害撲滅への取り組み推進
  • ヒヤリ・ハット*1事例、労災情報の活用
  • 「なぜなぜ分析」を用いた事故事例研究の推進
  • 事故事例が一元管理(検索機能有)できる全社「事故・労災情報データベース」の運用の継続
  1. 5事業所内請負作業の安全確保
  • 協力会社に対する教育、指導および監査の強化
  • 構内作業のリスクアセスメント実施とリスク低減対策の推進
  1. 6IoTの活用推進
  • 運転の最適化、保安技術向上のためのIoT技術導入の推進

*1:【ヒヤリハット】結果として災害や事故にはならなかったが、場合によってはこれらに直結したかもしれない一歩手前の事例。

4. 目標の達成状況や施策の実施状況についての調査および評価

2016年度目標と実績:

目標
実績
事故(異常現象)
0件
2件
休業災害
0件
6件(従業員1件、協力会社5件)

事故(異常現象)は、いずれも四日市事業所の小火。

評価: 事故・休業災害ゼロの目標は達成できなかったものの、安全活動の成果が現われ始めています。

労働災害度数率

度数率=(死傷者数/延べ労働時間数)×1,000,000

労働災害強度率

強度率=(労働損失日数/延べ労働時間数)×1,000

労働災害発生件数(休業災害)

日本化学工業協会の会員企業平均(2010年度まで8業種、2011年度からは全業種)

5. 自主保安活動の促進に向けた取り組み

従来、RCへの取り組みとして推進してきた非定常時および変更時のリスクアセスメントを計画的に実施していくことで、保安力の向上を図っていきます。

安全成績の高い職場(無休業災害記録)および5S活動優良職場の全社表彰を行うとともに、本社と事業所が連携した総合防災訓練を継続して実施しています。事業所では、防災技能コンテストなどにも参加し、自衛防災組織のさらなる充実強化も図ります。また、石油化学工業協会などの外部機関による表彰制度を継続して活用していきます。

有識者による保安・安全に関する講演会を開催し、安全文化の醸成にも努めています。

Topics

南陽事業所が防災技能コンテストで最優秀賞(総務大臣賞)を受賞

総務省消防庁主催「石油コンビナート等における自衛防災組織の技能コンテスト(防災技能コンテスト)」において、最優秀賞(総務大臣賞)を受賞しました。このコンテストは、防災要員の技能および士気の向上をもって石油コンビナートなどの防災体制の充実強化を図ることを目的に開催されています。

2016年度は全国から43組織が参加するなか、日頃の鍛錬の成果を十分に発揮し、その技能が極めて優秀であるとの評価をいただきました。

東ソーは、この受賞を励みに自衛防災組織のさらなる充実強化を図り、地域の安全と安心に対する取り組みを進めていきます。

地震・津波対策の推進

  • 高圧ガス貯槽の耐震対応:
    球形貯槽などの耐震化対応について前倒し計画を策定し、2020年耐震対応完了目標で推進しています。
  • 重要建築物の耐震性確保:
    地震・津波の際に避難場所となる、従業員常駐の計器室や事務所などの重要建築物の耐震診断・耐震補強を検討し、補強対応を順次実施しています。

高圧ガス認定の取得

  • 2016年11月に四日市事業所で「認定完成検査実施者」および「認定保安検査実施者」認定更新を完了しました。
    南陽事業所では同認定の取得に向けた準備を開始しています。

物流安全の取り組み

2016年度は物流重大事故が3件発生しました。再発防止に向け、物流元請である東ソー物流が協力会社に対する指導、再発防止策の実施状況確認などを行いました。事故撲滅に向けて、さらなる諸施策を実施していきます。

発生年月 概要 原因 対策
2016年
9月
輸送中の液体苛性船が航行中に傾き停船
人的・環境被害なし
  • バラスト配管などの故障・不調・メンテナンス不足
  • 不具合箇所の修繕
  • 点検の強化
2016年
10月
製品輸送中のトラックが大型トレーラーに追突し積載貨物が路上に落下し一部漏えい
人的被害なし
  • 体調不良による前方不注意
  • 出発前の体調確認徹底
2017年
3月
輸送中の液体苛性船が座礁、沈没
人的・環境被害なし
  • 当直引継ぎの不徹底
  • 一人当直時の見張り不十分
  • 当直引継ぎの確実な実施
  • 船員向け訓練の実施
  • GPSコースラインの活用

安全投資

(単位:億円)

内容 2014年度 2015年度 2016年度
設備改善 34.0 37.1 27.3
労働安全・作業環境改善 5.4 1.8 5.2
地震など天災対策 1.0 1.9 2.5
その他 1.7 2.4 16.4
合計額 42.1 43.2 51.4